【2021年最新版】ものづくり補助金のコロナ特別枠「低感染リスク型ビジネス枠」の時期や補助金額を徹底解説!

ものづくり補助金・小規模事業者補助金・IT導入補助金の各制度で行われていた「コロナ特別枠」が新たに予算化され、2021年度には「低感染リスク型ビジネス枠」となります。

この記事では、その「低感染リスク型ビジネス枠」について、開始時期や補助金額・補助率などのポイントを解説します。
「新型コロナ感染症に対応したビジネスモデル」を検討している経営者の方は、ぜひご覧ください。

目次

ものづくり補助金・小規模事業者補助金・IT導入補助金とは?

まずは、経済産業省の「中⼩企業⽣産性⾰命推進事業」における事業である「ものづくり補助金・小規模事業者補助金・IT導入補助金」の各制度がどのようなものかをご紹介します。

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金とは、「中小企業などの生産性向上に貢献する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資」を支援する補助金制度です。
正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。

2020年度は3つの事業類型があり、補助金額は次の通りでした。

  1. 一般型:100万円~1,000万円
  2. グローバル展開型:1,000万円~3,000万円
  3. ビジネスモデル構築型:100万円~1億円

また、2020年度「一般型」の採択率は以下の状況です。

締切回(締切日) 応募者数 採択者数 採択率
1次締切(2020/3/31) 2,287 1,429 62%
2次締切(2020/5/20) 5,721 2,637 57%
3次締切(2020/8/3) 6,923 2,637 38%

(参考)
ものづくり補助事業公式ホームページ

 

ものづくり補助金の最新の傾向等についてより詳細な解説を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

【ものづくり補助金まとめ】制度概要や申請方法、採択結果などわかりやすく解説【2021年度版】

経営者コネクト
また2021年春には、最大1億円が補助される「事業再構築補助金」の応募も始まる見込みです。
感染症拡大による経済社会の変化に対応するため、新分野展開や業態・事業・業種転換等を検討される企業様は、ぜひ次の記事もお読みください。

【事業再構築補助金まとめ】制度概要や申請できる企業、申請方法、採択結果などすべて解説

小規模事業者補助金とは?

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者の販路開拓等を支援する補助金制度です。
地域の商工会議所または商工会の助言を受けて「経営計画」を作成し、その計画に沿った販路開拓などに取り組む費用の一部が助成されます。

2020年度の補助金額は次の通りでした。

  1. 一般枠(通常枠):上限50万円
  2. コロナ特別対応型:上限100万円
  3. 事業再開枠:上限50万円(上記に加えて上乗せ)

また、2020年度「一般型」の採択率は以下の状況です。

締切回(締切日) 応募者数 採択者数 採択率
1次締切(3/31) 8,044 7,308 90%
2次締切(6/5) 19,154 12,478 65%

(参考)
日本商工会議所: 小規模事業者持続化補助金

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者などの「業務の効率化」や「売上拡大」に役立つ、簡易的なITツールの導入に要する経費の一部を支援する補助金制度です。

2020年度の補助金額は次の通りでした。

  1. 通常枠(A類型 ):30万~150万円
  2. 通常枠(B類型 ):150万~450万円
  3. 特別枠(C類型 ):30万~450万円

なおIT導入補助金については、ものづくり補助金・小規模事業者補助金と異なり採択率が公表されていません。

(参考)
IT導入補助金2020

その他、様々な中小企業向け補助金・助成金についてまとめた記事もありますので、参考にしてください。

【最新】中小企業が利用できる補助金・助成金13選!目的・金額・条件を徹底解説

ものづくり補助金・小規模事業者補助金・IT導入補助金のコロナ特別枠は「低感染リスク型ビジネス枠」に

2020年(令和2年)度第3次補正予算案において、中⼩企業⽣産性⾰命推進事業(ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金)の「特別枠の改編」が行われ、新特別枠として「低感染リスク型ビジネス枠」が創設されました(経済産業省)。

そして2020年(令和2年)度1次・2次補正で行われていた「新型コロナに対応するための『特別枠』」の募集は、2020年12月で終了しています。

「低感染リスク型ビジネス枠」の目的と予算案額

ものづくり補助金・小規模事業者補助金・IT導入補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の目的は次の通りです。

  • 新型コロナウイルス感染症の流⾏が続く状況において、「現在とポストコロナ時代に対応したビジネスモデルへの転換」に向けた中⼩企業等の取り組みを⽀援する

その予算案額は2,300億円。
これは、2020年から3年間で総額3,600億円とされている「通常枠」とは別予算として組まれています。

「低感染リスク型ビジネス枠」はいつから?その開始時期

「低感染リスク型ビジネス枠」が組み込まれた第3次補正予算案は、2020年12月15日に閣議決定されました。
2021年1月18日に召集される通常国会で成立する見込みです。

そして「公募は成立後に開始」と公表されているため、各制度の2020年度運用と同様に「2021年3月頃から公募開始」と予想されます。

ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の概要

ここからは、各補助金制度における「低感染リスク型ビジネス枠」の概要を解説していきます。
まずは、ものづくり補助金です。

ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の成果目標

ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」は、「対⼈接触機会の減少に資する、製品開発、サービス開発、⽣産プロセスの改善に必要な設備投資、システム構築等」を⽀援する事業です。

また事業の成果目標は「事業終了後4年以内に、以下の達成を⽬指す」とされています。

  • 補助事業者全体の付加価値額が、年率平均3%以上向上
  • 補助事業者全体の給与⽀給総額が、1.5%以上向上
  • 付加価値額年率平均3%以上向上および給与⽀給総額

ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の補助金額・補助率

ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の補助金額・補助率は次の通りです。

  • 補助金額:100万~1,000万円
  • 補助率2 / 3

ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」のメリットと申請要件

中小企業基盤整備機構が公開した予告版資料によると、ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」のメリットは次の2点。

  1. 補助率が 2 / 3(「通常枠」では中小企業は1 / 2、小規模企業者と小規模事業者が2 / 3)
  2. 広告宣伝・販売促進費を補助対象に(「通常枠」では対象外)

申請要件は「新型コロナウイルスの感染拡大・ポストコロナ時代に対応したビジネスモデルへの転換に向けた投資をすること」とされており、具体的には次の3点が挙げられています。

  1. 物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発
    (AIを利用した、遠隔操作や自動制御といった機能をもつ製品の開発など)
  2. 物理的な対人接触を減じる製品・システムを導入した生産プロセス・サービス提供方法の改善
    (ロボットシステムを導入しプロセス改善を行うなど)
  3. ポストコロナに対応するビジネスモデルの抜本的な転換に係る設備・システム投資
    (「キャッシュレス端末」や「自動精算機」など、「ビジネスモデルの転換に大きな寄与が見込まれない機器」の購入については、補助対象経費にならない)

さらに申請はオンラインでのみ行われる見込みで、「gBizIDプライム」取得が必要となります。

小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の概要

次に、小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の概要をご紹介します。

小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の成果目標

小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」は、「小規模事業者等が経営計画を作成して取り組む、ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセス導入等の取り組み」を支援する事業です。

また事業の成果目標は「事業終了後2年で、販路開拓で売上増加につながった事業者の割合を80%とすること」とされています。

なお、小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」についてより詳しく知りたい方は、以下もご覧ください。

(参考)
中小企業基盤整備機構:持続化補助金

小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の補助金額・補助率・補助対象

小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の補助金額・補助率は次の通り。

  • 補助金額
    上限100万円(感染防止対策費も一部支援)
  • 補助率
    3 / 4(感染防止対策費は、補助対象経費のうち1 / 4)
  • 補助対象
    オンライン化のためのツール・システムの導入、ECサイト構築費など

小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の活用例

小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の活用例として、次の事項が挙げられています。

  • ポストコロナ社会を見据えた対人接触機会の減少に資するビジネスモデルへの転換のため、飲食店が大部屋を個室にするための間仕切り設置を行い、予約制とするためのシステムを導入する

IT導入補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の概要

記事の最後に、IT導入補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の概要をご紹介します。

IT導入補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の成果目標

IT導入補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」は、「複数の業務⼯程を広範囲に⾮対⾯化する業務形態の転換が可能なIT ツールの導⼊」を⽀援する事業です。

また事業の成果目標は「事業終了後4年以内に、補助事業者全体の労働⽣産性の年率平均3%以上向上を⽬指す」とされています。

IT導入補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の補助金額・補助率

IT導入補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」の補助金額・補助率は次の通り。

  • 補助金額:30~450万円
  • 補助率:2 / 3

まとめ:制度の概要をつかんで「低感染リスク型ビジネス枠」の利用を

この記事では、ものづくり補助金・小規模事業者補助金・IT導入補助金の各制度で行われる「低感染リスク型ビジネス枠」について、開始時期や補助金額・補助率などのポイントを解説しました。

緊急事態宣言の対象地域が拡大されるなど、新型コロナウイルスによる経営への影響はまだまだ終わりそうにありません。
ぜひ記事を参考に、制度の概要をつかんで「低感染リスク型ビジネス枠」の利用を検討してみてください。

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