令和2年度第3次補正予算の目玉とされる事業再構築補助金について、1月28日に行われた参議院予算委員会において梶山弘志経済産業大臣が、受付け開始時期について言及をしました。
また、同日、経済産業省から「中小企業等事業再構築促進事業に係る事務局募集要領」が発表され、その中で、採択件数についての記載がありました。
この記事では、経産省大臣の発言や、経産省の発表について、具体的に紹介します。
事業再構築補助金の受付開始は3月からを目指す(参議院予算会議での経済産業大臣の発言)
三浦のぶひろ議員から質問
梶山経済産業大臣の答弁
現在、詳細設計を行っているところであります。
大臣発言のポイント
- 事業再構築補助金は3月から申請受付開始。ただし、応募の締め切り時期に関する言及はなし
- 募集開始前に、指針や想定事例が公表される予定
- 内容が異なる事業であれば、同一の事業者が事業再構築補助金とものづくり補助金を並行して申請可能
採択件数と対象経費の追加発表(事業再構築促進事業に係る事務局募集要領)
事業再構築補助金の採択件数は55,000件程度
経済産業大臣の発言と同日の1月28日に、事業再構築補助金を実施する事務局の募集要項が公表されました。
その中で、間接補助事業の採択件数、つまり、事業再構築補助金を受ける中小企業の数としては、 55,000件程度ということが記載されています。
事業再構築補助金の予算規模は約1.1兆円なので、経済産業省は1社あたり平均2,000万円程度の補助金を想定していることになります。
また採択件数について、他の補助金等の件数と比較すると
- 事業再構築補助金の想定採択件数:55,000件
- ものづくり補助金の採択件数:7,333件(2021年1月29日時点。2020年1次~3次募集の合計)
- 小規模事業者持続化補助金の採択件数:64,826件(2021年1月29日時点。一般型・コロナ型1回~3回締切の合計)
- 持続化給付金の給付件数:412万件(2021年1月25日時点)
ですので、補助金額が最大1,000万円の「ものづくり補助金」の数年分の採択件数と同程度を見込んでいることになります。
補助金額が最大50~100万円の小規模事業者持続化補助金と比較すると件数は少なくなりますが、1社あたりの補助金額が20倍以上ですので、それを考慮するとかなりの採択件数を想定していることが分かります。
対象経費の追加について発表
また、事務局募集要項で、対象経費についても記載がありました。
建物撤去費、設備撤去費、リース料、クラウドサービス利用料等、これまで発表されていた経費から追加がありました。
- 建物撤去費
- 設備等撤去費
- 建物改修・リフォーム費
- 建物費
- 機器・設備費
- システム購入費
- リース費
- 外注費
- 原材料費
- 研修費
- 専門家経費
- 技術導入費
- 知的財産権等関連経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 広告宣伝費・販売促進費
事務局募集の締切は2月4日
事務局募集の締切は2月4日となっています。
募集開始から1週間で締切ということなので、3月の申請受付開始に向けてスピードを非常に重視していることがわかります。
募集が締め切られ次第速やかに事務局が決まり、事務局が決まり次第、公募要領や申請様式等が発表になっていくと考えられます。
事業再構築補助金の申請にむけて準備すべきこと
GビズIDの取得
事業再構築補助金は、電子申請システム(jGrants)から申請することになります。
申請にはgBizIDが必要になりますので、未取得の場合には取得を進めましょう。
gBizIDの取得には2~3週間程度かかる可能性があるため、気をつけましょう。
最新情報のウォッチ
事業再構築補助金については、日々新たな情報が発表されています。
スケジュールや採択に関わる重要な情報もあるので、常に新しい情報をウォッチしておきましょう。
仮の事業計画の策定
事業再構築指針の発表前ですが、申請受付開始から締切までの時間が短い可能性があります。
仮の内容でいいので、現時点からどのような事業を行うかの計画を作っておきましょう。
事業再構築補助金の対象は、新分野となるため、既存事業とは違う領域・取り組みへのチャレンジが求められます。
実施したい事業について、委託する事業者を探したり、実際に見積もりを取得したりしながら事業計画を明確にしていきましょう。
申請にあたっての支援機関を探す
ご関心のある方は下記サイトもご覧ください。
また、事業再構築補助金について、以下の記事でも情報をまとめていますので、ぜひご利用ください。
【事業再構築補助金まとめ】制度概要や申請できる企業、申請方法、採択結果などすべて解説
【Q&A】最大1億円の「事業再構築補助金」について疑問に答えます