経営者の方であれば、「補助金取得」や「業績アップ」や「生産管理・品質管理」、「事業承継」などに悩まれるケースが多いと思います。
そんなときに頼れる存在が「認定支援機関(認定経営革新等支援機関)」です。
この記事では、「認定支援機関(認定経営革新等支援機関)」の基本情報から、支援が必須の事業、利用するメリットや検索システムで探す方法などをご紹介していきます。
経営改善や補助金活用を検討されている経営者の方は、ぜひご覧ください。
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは?
まずは、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)についての基本情報を解説します。
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは?
「認定支援機関(認定経営革新等支援機関)」とは、「専門的知識と一定の実務経験」を持つ法人または個人を、国が審査・認定した機関です。
この認定制度は、「中小企業支援を行う支援事業の担い手」の多様化と活性化を目的として、2012年8月の「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(現 中小企業等経営強化法)」の一部改正により登場。
国に認定されることで「公的な機関」と位置づけられ、中小企業や小規模事業者が安心して経営相談を行えるようになりました。
商工会や商工会議所など中小企業支援者のほか、弁護士、税理士、公認会計士、監査法人、中小企業診断士、金融機関など、33,545(本店・支店を含めて)の機関が認定されています(2021年2月26日時点)。
「どのような機関があり、どんな支援を行っているのか」といった事例は、中小企業庁のリーフレットで詳しくご紹介しています。
・中小企業庁リーフレット:認定経営革新等支援機関による中小企業・小規模事業者支援優良取組事例集
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)になるには?
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)になるには、まず以下の認定基準を満たす必要があります。
- 税務、金融及び企業の財務に関する専門的な知識を有している
- 中小企業・小規模事業者に対する支援に関し、法定業務に係る1年以上の実務経験を含む3年以上の実務経験を有している
- 法人である場合には、その行おうとする法定業務を長期間にわたり継続的に実施するために、必要な組織体制と事業基盤を有している。個人の場合は、行おうとする法定業務を、長期間にわたり継続的に実施するために必要な事業基盤を有している
- 法第27条各号に規定される欠格条項の、いずれにも該当しない
ただし上記①・②の知識や経験が認定基準に満たない場合は、中小機構の研修を受講し試験に合格することで、条件をクリアしたとされます。
認定基準を満たした法人・個人は、オンラインによる電子申請を行い、審査に合格すれば認定です。
(2020年6月から書面による申請は不可となり、オンライン申請のみになりました)
また2018年5月からは、認定支援機関の認定に「5年間の有効期間」が設定され、期間満了時に改めて業務遂行能力を確認する「更新制」となっています。
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の支援が必須の事業
認定支援機関を利用することが必須の事業には、どのようなものがあるのでしょうか?
以下にその一部をご紹介します。
認定支援機関必須の事業①事業再構築補助金への申請
2021年に第5回程度の公募が予定されている、「事業再構築補助金」。
事業計画を「認定経営革新等支援機関と相談し策定する」ことが申請要件になっています。
補助金額は最大1億円と非常に大きく、建物費等、対象経費も幅広い補助金なので、要件に当てはまる企業にとっては大きなチャンスとなります。
事業再構築補助金をより詳しく知りたい方には、こちらの記事がおすすめです。
【事業再構築補助金まとめ】制度概要や申請できる企業、申請方法、採択結果などすべて解説
ご関心のある方は下記サイトもご覧ください。
認定支援機関必須の事業②事業承継補助金への申請
事業承継を契機に経営革新等を行う中小企業等を支援する「事業承継補助金」の申請には、認定支援機関と事業計画の内容について相談し、「確認書」を受領することが必須です。
事業承継補助金について詳しくは、こちらの記事で解説しています。
事業承継補助金とは?補助金額・条件から必要な手続きまで詳しく解説!
認定支援機関必須の事業③固定資産税・都市計画税の減免
新型コロナの影響で収入減少した中小企業者・小規模事業者の納税負担を軽減するため、「2021年度の固定資産税・都市計画税をゼロまたは半分」とする制度が設けられ、申請期限は2021年2月1日でした。
減免の申請には「認定経営革新等支援機関等」の確認を受け、固定資産税を納付する市町村に必要書類を提出します。
・ミラサポ Plus:固定資産税の減免 新着情報 市町村による申請受付は原則2月1日まで
認定経営革新等支援機関”等”とは?
「固定資産税の減免」については、「認定経営革新等支援機関等」が事前確認を行うとされています。次の①~③の機関すべてを指します。
①認定経営革新等支援機関(認定支援機関)
前述の認定支援機関です。
②認定経営革新等支援機関に準ずるもの
- 都道府県中小企業団体中央会
- 商工会議所
- 商工会
- 農業協同組合
- 農業協同組合連合会
- 森林組合
- 森林組合連合会
- 漁業協同組合
- 漁業協同組合連合会
③認定経営革新等支援機関として認定されていない者で、帳簿の記載事項を確認する能力がある、下記機関又は下記資格を有する者
- 税理士(認定支援機関に認定されていない税理士も対象)
- 税理士法人
- 公認会計士
- 監査法人
- 中小企業診断士
- 青色申告会連合会
- 青色申告会
認定支援機関必須の事業④ものづくり補助金の確認書添付は不要に
かつて「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」の申請には、認定支援機関による確認書が必要でした。
しかし2020年度実施分からは、確認書の添付が不要になっています。
ものづくり補助金をより詳しく知りたい方には、こちらの記事がおすすめです。
【ものづくり補助金まとめ】制度概要や申請方法、採択結果などわかりやすく解説【2021年度版】
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)を利用するメリット
認定経営革新等支援機関(認定支援機関)を利用すると、中小企業・小規模事業者には次のようなメリットがあります。
【認定支援機関利用メリット1】保証料の減額・補助金申請など資金調達がしやすくなる
経営革新等支援機関から支援を受け、事業計画の実行と進捗の報告を行うことを前提に、信用保証協会の保証料が0.2%減額されます。
また、後述する補助金や税制優遇などの申請が可能となるため、資金の調達がしやすくなります。
【認定支援機関利用メリット2】事業計画策定により現状把握と対応策が明確に
経営者の方であれば、「業績アップ」や「生産管理・品質管理」、「事業承継」といった経営課題を抱えているかと思いますが、認定支援機関に相談して事業計画(経営改善計画)を策定することで、現状を把握することが可能となります。
また、専門家である認定支援機関とともに策定するため、いままで見えていなかった課題や解決策が見え、正しい課題と対応策を明確にすることができます。
認定支援機関の支援を受けて経営改善計画を策定する場合、専門家に対する支払費用の2 / 3(上限200万円)を、経営改善支援センターが負担してくれる制度がありますので、ぜひ利用しましょう。
【認定支援機関利用メリット3】海外展開の資金調達がしやすくなる
認定支援機関の支援を受けた事業計画に従って事業を行うことで、次のような支援を受けることができるため、海外展開における資金調達がしやすくなります。
- 現地子会社の資金調達支援:日本政策金融公庫や日本貿易保険を利用し、現地通貨建ての資金調達が可能に
- 海外展開のための国内における資金調達支援:親子ローン等を通じた資金調達が可能に
最寄りの認定経営革新等支援機関(認定支援機関)を探す方法
認定経営革新等支援機関検索システム
最寄りの認定経営革新等支援機関(認定支援機関)を探す方法として、認定経営革新等支援機関検索システムがあります。
「機関種別」や「相談可能内容」などの細かい条件で検索が可能。
検索結果には連絡先のほか、「支援可能業種」や「ものづくり補助金や事業承継補助金などの支援実績」なども表示されるため、支援機関を選ぶときのヒントになります。
当初は「金融機関以外の認定支援機関」の情報のみを公開していましたが、2020年11月からは金融機関も含めた一括検索が可能になりました。
認定経営革新等支援機関一覧
金融機関などの団体も含めた認定支援機関一覧は、こちらの中小企業庁ウェブサイトで確認できます。
前項の検索システムで表示される結果が、エクセルの一覧表になっているため、「相談内容等」や「支援可能業種」を比較しやすくなっています。
まとめ:認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の上手な活用を
この記事では、「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」の基本情報から、利用するメリットや検索システムで探す方法、支援が必須の事業までご紹介しました。
ぜひ認定支援機関を上手に活用し、経営改善や補助金活用を進めて行きましょう。
ご関心のある方は下記サイトもご覧ください。