2021年4月30日の一次公募締め切り(その後5月7日まで延長)に続き、7月2日に第二次締め切りを控えている、最大6000万円という補助金額の高さから注目度の非常に高い「事業再構築補助金」。
「事業再構築に取り組むこと」が申請要件となっているため、「事業再構築の類型」を理解することが必須です。
そこでこの記事では「事業再構築の類型」の5つめである「事業再編」の定義と該当要件、事例まで解説していきます。
事業再構築補助金の申請を検討されている経営者の方は、ぜひご覧ください。
事業再構築補助金の「事業再構築の類型」とは?
事業再構築補助金の「事業再構築の類型」とは、補助金での支援対象となる「事業再構築」の種類を指しており、次の5つのことです。
- 新分野展開:新たな製品等で新たな市場に進出する
- 事業転換:主な「事業」を転換する
- 業種転換:主な「業種」を転換する
- 業態転換:製造方法等を転換する
- 事業再編:事業再編を通じて新分野展開、事業転換、 業種転換または業態転換のいずれかを行う
上記5つの違いをくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【事業再構築補助金】「事業再構築の類型」5つの違いを一覧表で解説!事例もご紹介
事業再構築補助金では、「事業再構築に取り組む」ことが申請要件になっています。
そのためには、上記の類型をよく理解することが大切。
この記事では、次項から類型⑤「事業再編」についてくわしく解説していきます。
また、「事業再構築補助金」と「事業再構築」の詳細は、以下の公式サイトで確認できます。
・事業再構築補助金 公式ウェブサイト
・中小企業庁:事業再構築指針
・中小企業庁:事業再構築指針の手引き
なお、事業再構築の制度概要を知りたい方には、こちらの記事もおすすめです。
【事業再構築補助金まとめ】制度概要や申請できる企業、申請方法、採択結果などすべて解説
【Q&A】最大1億円の「事業再構築補助金」について疑問に答えます
事業再構築の類型⑤「事業再編」の定義
ここからは、事業再構築の類型⑤「事業再編」についてくわしく解説していきます。
まず定義は次のとおりです。
- 事業再編の定義
事業再編とは、「合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡」といった会社法上の組織再編行為等を行い、新たな事業形態のもとに、「新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換」のいずれかを行うことをいう
この定義でわかるとおり、「事業再編」は他の類型とは性質が異なり、組織再編行為を行ったうえで、他の類型も実施するというものです。
そのため、この記事で「事業再編」の該当要件などを把握した後は、他の類型についてもご確認ください。
事業再構築の類型⑤「事業再編」の該当要件
事業再構築の類型⑤「事業再編」に該当するためには、次の2点をどちらも満たすことが必要です。
- 組織再編要件:会社法上の組織再編行為等を行うこと
- その他の事業再構築要件:その他の事業再構築のいずれかの類型の要件を満たすこと
それでは各要件について、以下でくわしく解説していきます。
[事業再編の該当要件1]組織再編要件
「組織再編要件」を満たすには、次の「会社法上の組織再編行為」のいずれかを行う必要があります。
- 合併
- 会社分割
- 株式交換
- 株式移転
- 事業譲渡
また、それぞれの場合の「事業再構築の該当性の判断」は、以下の通りです。
[事業再編の該当要件2]その他の事業再構築要件
「事業再編」に該当するためのもう一つの要件は、「事業再編」以外となる次の類型の、いずれかの要件を満たすことです。
- 新分野展開
- 事業転換
- 業種転換
- 業態転換
各類型の定義や該当要件は、以下の記事でご紹介しています。
【事業再構築補助金】事業再構築の類型「①新分野展開」の定義をわかりやすく解説!事例も紹介
事業再構築の類型⑤「事業再編」の事例と要件を満たす考え方
記事の最後に、事業再構築の類型⑤「事業再編」の事例と、前項でご紹介した要件を満たす考え方をご紹介します。
[事例と要件を満たす考え方①]吸収分割・新分野展開
上図「飲食業」での事例において、事業再編(吸収分割・新分野展開)の要件を満たすには、以下の点すべてを事業計画で示すことが必要です。
該当要件1:組織再編要件
- 会社法上の組織再編行為となる「吸収分割」を行っている
該当要件2:その他の事業再構築要件(新分野展開)
- 「製品等の新規性要件」を満たしている
- 「市場の新規性要件」を満たしている
- 3~5年の事業計画期間終了後、施設給食業の売上高が、総売上高の10%以上となる
[事例と要件を満たす考え方②]新設合併・事業転換
上図「製造業」での事例において、事業再編(新設合併・事業転換)の要件を満たすには、以下の点すべてを事業計画で示すことが必要です。
該当要件1:組織再編要件
- 会社法上の組織再編行為となる「新設合併」を行っている
該当要件2:その他の事業再構築要件(事業転換)
- 「製品等の新規性要件」を満たしている
- 「市場の新規性要件」を満たしている
- 3~5年の事業計画期間終了後、衛生製品の製造業(繊維工業)を含む事業の売上高構成比が、最も高くなる
[事例と要件を満たす考え方③]事業譲渡・業種転換
上図「製造業」での事例において、事業再編(事業譲渡・業種転換)の要件を満たすには、以下の点すべてを事業計画で示すことが必要です。
該当要件1:組織再編要件
- 会社法上の組織再編行為となる「事業譲渡」を行っている
該当要件2:その他の事業再構築要件(業種転換)
- 「製品等の新規性要件」を満たしている
- 「市場の新規性要件」を満たしている
- 3~5年の事業計画期間終了後、化粧品販売を含む業種の売上高構成比が、最も高くなる
[事例と要件を満たす考え方④]株式交換・業態転換
上図「娯楽業」での事例において、事業再編(株式交換・業態転換)の要件を満たすには、以下の点すべてを事業計画で示すことが必要です。
該当要件1:組織再編要件
- 会社法上の組織再編行為となる「株式交換」を行っている
該当要件2:その他の事業再構築要件(業態転換)
- 「製造方法等の新規性要件」を満たしている
- 「商品等の新規性要件」または「設備撤去等要件」を満たしている
- 3~5年の事業計画期間終了後、オンライン演劇部門の売上高が、総売上高の10%以上となる
まとめ:事業再構築の類型⑤「事業再編」では他類型まで理解して申請準備を
この記事では、「事業再構築の類型」の5点めとして「事業再編」の定義と該当要件、事例まで解説しました。
「事業再編」では、他の4つの類型をよく理解することも重要。
採択されるために、すべての類型を十分に把握し、申請準備を進めましょう。
また、事業再構築補助金では、認定支援機関によるサポートを受けて応募する必要があります。
経営者コネクトでも、認定支援機関による申請サポートを行っています。
無料相談も行っていますので、ご関心ある方は以下のページもご覧ください。
また、数ある補助金・助成金について知りたい方は、以下の記事もお読みください。
【最新】中小企業が利用できる補助金・助成金13選!目的・金額・条件を徹底解説