【事業再構築補助金】第4回公募の変更点はコチラ!日程の確認も

2021年10月28日に第4回公募が開始された「事業再構築補助金」。
来年度の実施は明言されていないため、残りの公募回は今回をあわせて2回となりました。

この記事では、事業再構築補助金の第4回公募における、第3回公募からの変更点や日程についてご紹介していきます。

「事業再構築補助金への申請を検討している」という経営者の方は、ぜひご覧ください。

【事業再構築補助金】第4回公募の変更点を解説

まずは、事業再構築補助金の第4回公募における、第3回公募からの変更点を解説します。

[変更点①]事前着手がjGrantsでの申請に

事業再構築補助金第4回公募の変更点1つめとして、事前着手がjGrantsでの申請となっています。

第3回公募までは、「事前着手承認申請書」に必要事項を記載して、事務局にメールで提出でした。
今回、事前着手を検討されている方はご注意ください。

なお事前着手の申請期間は次のとおり。

  • 申請期間2021年10月28日~交付決定日まで

また、第1回~第3回公募の期間に事前着手の承認を受けている事業者は、再度の申請は不要です。

事前着手申請とは?

事前着手申請とは、本来は対象とならない「交付決定前の補助事業実施」を、補助の対象とするための特例制度です。

通常は下図(1)のように、交付決定後でなければ設備の購入などを行えず、決定前に行った補助事業については補助の対象とはなりません。

出典:事業再構築補助金 公式サイト

しかし事業再構築補助金では、新型コロナの長期化による事業への影響などを考え、早期に事業再構築に着手できるようにと事前着手を設定。

jGrantsで申請し事務局に承認されれば、2021年2月15日以降に契約や発注などの補助事業を行った経費が、補助の対象となります。

ただし事前着手に承認されても、補助金自体が不採択となることもありますので、そのリスクは認識しておきましょう。

事前着手の申請方法

事前着手の申請は今回からjGrantsで行いますが、申請には「GビズIDプライムアカウント」または「暫定GビズIDプライムアカウント」が必要です。

補助金申請にも必要ですので、早めにアカウントを取得しましょう。
「GビズID」の申請方法は、こちらの記事でくわしくご紹介しています。

アカウントを取得したら、次のURLからjGrantsにログイン。
画面下の「ログインして申請」から入ると、検索せずに事前着手申請が行えます。

ログイン後は下画像の「申請する」をクリックして、画面に必要事項を入力していきます。

第3回までのように、「申請書を作成して添付する」手順ではありませんので、ご注意ください。

申請後は「10日~2週間程度」で事務局から通知メールが届き、マイページで結果が確認可能となります。

[変更点②]「パートナーシップ構築宣言」が加点項目に

変更点の2つめとして、「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」が加点項目に追加されました(公募要領35ページ)。

加点の対象となるのは「パートナーシップ構築宣言」のポータルサイトで、応募締切日(令和3年12月21日)時点で宣言を公表している事業者です。

「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト

ただし加点となるのは次の類型のみ。

  • 卒業枠
  • グローバル V 字回復枠
  • 大規模賃金引上枠

添付書類などを提出する必要はなく、電子申請システム上で該当箇所にチェックを入力します。

なお、宣言と同じ「加点項目」のひとつである「EBPM」については、こちらの記事でくわしくご紹介しています。

「パートナーシップ構築宣言」とは?

「パートナーシップ構築宣言」とは、次の2点への取り組みを企業の代表者名で宣言してポータルサイトに登録することで、ロゴマークを使用できるようになり対外的にPRできる仕組みです。

  1. サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携
  2. 親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)の遵守

新型コロナの影響が長引く状況をうけ、2020年5月18日に経団連会長、日商会頭、連合会長、関係大臣によって開催された「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」のなかで、宣言の構築が合意されました。

「パートナーシップ構築宣言」は、こちらの記事でくわしく解説しています。

ものづくり補助金の加点にも使える「パートナーシップ構築宣言」とは?メリットや登録方法まで解説します

 

[変更点③]「緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点」の対象期間が変更

3つめの変更点として、加点項目である「緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点」の対象期間が、次のように変更されました(公募要領33ページなど)。

  • 第3回公募:2021年1月~8月
          ↓
  • 第4回公募:2021年1月~9月

これは、緊急事態宣言が2021年9月30日まで実施された現状にあわせたものと思われます。

[変更点④]「緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点」に対象条件が追加

変更点の4つめとして、加点項目「【令和3年の国による緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点】①」の対象条件に、以下の項目が追加されました。(公募要領35ページなど)。

(又は、令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年1月~9月のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること。)

事業再構築補助金 第4回公募要領より

前項の変更点③とあわせて、加点の範囲が拡大しています。
自社が対象となるか、ぜひ確認してみましょう。

第4回公募におけるその他の変更点

ここからは、上記ほどの大きな項目ではない変更点をご紹介します。
注意点が追加・変更されている箇所もありますので、あわせてよく確認しましょう。

その他(1)「賃金引上要件」で留意点が追加

「4.補助対象事業の要件」の「賃金引上要件」で、次の留意点が追加されました(公募要領17ページ)。

ア.補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度の前年度の終了月の事業場内最低賃金を基準とします。ただし、当該事業場内最低賃金が、申請時点の事業場内最低賃金を下回る場合には、申請時点の事業場内最低賃金を基準とします。

事業再構築補助金 第4回公募要領より

その他(2)「従業員増員要件」で留意点が変更

「4.補助対象事業の要件」の「従業員増員要件」において、留意点が次のように変更されています(公募要領17ページ)。

  • 第3回公募:ア.補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度開始時点の常勤従業員数を基準とします。
                 ↓
  • 第4回公募:ア.補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度の前年度の終了時点の常勤従業員数を基準とします。

その他(3)「形式的な不備等で再度申請可能」の説明文が削除に

第3回公募要領には記載されていた「形式的な不備等で再度申請可能」という、次の説明文が削除されました(第3回公募要領22ページ)。

※ 申請期限に余裕を持って申請完了されたもののうち、形式的な不備等により、申請要件を満たさなかった事業者に対しては、申請締切り前にその旨を通知し、再度申請することを可能とします。具体的な日程については別途事務局HPを通じてお知らせいたします。

事業再構築補助金 第3回公募要領より

第4回公募で、事務局が「申請要件を満たさない事業者に通知する」ことを行わないかどうかは不明。

しかし「形式的な不備」で申請要件を満たさないことがないよう、申請前には次のシートなどでしっかり確認を行いましょう。

事業再構築補助金 公式サイト:添付書類確認シート(PDF)

その他(4)「対象経費全般にわたる留意事項」で根抵当権の説明が追加

「7.補助対象経費」の「(2)補助対象経費全般にわたる留意事項⑦」で、次の根抵当権の説明が追加されました。(公募要領27ページ)。

また、根抵当権が設定されている土地に建物を新築する場合は、根抵当権設定契約において、建設した施設等の財産に対する追加担保差入条項が定められていないことについての確認書を交付申請時に提出する必要があります。

事業再構築補助金 第4回公募要領より

その他(5)「事業計画作成における注意事項」で注意点が追加

「10.事業計画作成における注意事項」で、次の注意点が追加されました(公募要領29ページ)。

※会社名を事業計画書の1ページ目に必ず記載し、各ページにページ数を記載してください。
※図表はA4サイズで内容が読み取れるサイズでの貼り付けにご協力ください。

事業再構築補助金 第4回公募要領より

その他(6)「補助事業の具体的取組内容」で注意点が追加

「10.事業計画作成における注意事項」の「1:補助事業の具体的取組内容」で、次の注意点が追加されました(公募要領30ページ)。

⑤ 個々の事業者が連携して遂行する事業である場合、又は、代表となる事業者が複数の事業者の取り組みを束ねて一つの事業計画として申請を行う場合は、事業者ごとの取組内容や補助事業における役割等を具体的に記載してください。

事業再構築補助金 第4回公募要領より

その他(7)「賃金引上げ計画の表明書」で注意点が変更

「表1:添付書類」の「⑦賃金引上げ計画の表明書」で、注意点が次のように変更されています(公募要領32ページ)。

  • 第3回公募:※ 申請時点の直近月の事業場内最低賃金が明記され、これを引き上げる計画がわかる書面を提出してください。
                  ↓
  • 第4回公募:※ 申請時点の直近月の事業場内最低賃金が明記され、補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を45円以上引き上げる計画を従業員等に表明していることがわかる書面を提出してください。

【事業再構築補助金】第4回公募の日程を確認

次に、事業再構築補助金の第4回公募の日程を確認しましょう。

第4回公募の日程

第4回公募の日程は次のとおりです。

  • 公募開始:2021年(令和3年)10月28日
  • 申請受付:2021年(令和3年)11月中旬予定
  • 応募締切:2021年(令和3年)12月21日(火)18:00
  • 採択発表:2022年(令和4年)2月中旬~下旬頃を予定

緊急事態宣言枠は今回も継続

「緊急事態宣言特別枠」は、第2・3回公募要領にて「今回の公募で終了を予定」と記載されていましたが、今回もそのまま残されました

ただし、第4回公募要領では次のように案内しています。

また、緊急事態宣言特別枠については、予算に限りがあり、今回の公募で終了する可能性がございますので、申請を検討されている方はご注意ください。

事業再構築補助金 第4回公募要領22ページより

不採択となっても「通常枠」で再審査されるなど、特典のある事業枠ですので、検討している方は早めに申請しておきましょう。

高額な成功報酬を要求する業者に注意

第4回公募要領では、1ページ目に「高額な成功報酬等にご注意」として記載され、次の注意喚起を行っています。

○ 事業計画の検討に際して外部の支援を受ける場合には、提供するサービスの内容とかい離した高額な成功報酬等を請求する悪質な業者等にご注意ください。
○ 不審に感じることがありましたら、以下のトラブル等通報窓口までご連絡ください。
<トラブル等通報窓口>
受 付 時 間:9:00~18:00(土日祝日を除く)
電 話 番 号:03-6810-0162

事業再構築補助金 第4回公募要領より

事業再構築補助金公式サイトでもトップページに記載されており、これは実際に事業者からの相談が多いためと思われます。

公式サイトの資料によれば、第1回公募にて認定支援機関のうち、67.0%が「報酬なし」です。
外部の支援機関が高額な成功報酬を求めてきたときは、上記の窓口に相談してみましょう。

事業再構築補助金の第5回公募はいつから?

事業再構築補助金の第5回公募は、「令和4年(2022年)1月中に開始する予定」とされています(公式サイト トップページに記載)。

第4回公募要領4ページには「本事業は、令和3年度内に、さらに1回程度の公募を予定しています。」と記載。

事業再構築補助金が令和4年度(2022年度)にも引き続き実施されるかは、明言されていません。
申請を検討されている方は、ぜひ今年度中に行いましょう。

まとめ:変更点を確認して第4回公募への申請を

この記事では、事業再構築補助金の第4回公募における、第3回公募からの変更点や日程についてご紹介きました。

ぜひ記事を参考に、変更点をよく確認したうえで第4回公募への申請を行いましょう。

なお、経営者コネクトでは、事業再構築補助金の応募を考える企業様向けに「無料相談サービス」を行っています。
ご関心のある方は、ぜひ下記サイトもご覧ください。

また事業再構築補助金以外にも、中小企業が活用できる補助金はいくつもあります。
以下の記事でお勧めの15種類を纏めていますので、合わせてお読みください。

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