2022年も2月となり、国からは2022年度(令和4年度)の補助金事業の公募概要が公開されはじめました。
新規事業(統合し名称変更)となる「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」もそのひとつです。
この記事では「速報」として、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の事業概要を解説していきます。
「サポイン事業・サビサポ事業への申請を検討していた」という経営者の方は、ぜひご覧ください。
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の基本情報
まずは、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の基本情報をご紹介します。
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)とは?
成長型中小企業等研究開発支援事業とは、中小企業等が大学・公設試等と連携して行う「研究開発」と「その事業化に向けた取組」を、最大3年間支援する補助金事業です。
通称「Go-Tech事業」と呼ばれ、主管の省庁は経済産業省となります。
令和3年(2021)年度までは「サポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)」と「サビサポ事業(商業・サービス競争力強化連携支援事業)」として別々だった事業が、令和4(2022)年度からは統合して一つの事業となったものです。
本事業では、とくに「民間ファンド等からの出資を受けるもの」について、重点的に支援する方針となっています。
なお、「Go-Tech事業」の前身となる「サポイン事業」・「サビサポ事業(新連携⽀援事業)」についてくわしくは、こちらの記事をご覧ください。
・記事「サポイン事業とは?補助金額・対象経費・申請方法など制度概要を徹底解説!」
・記事「新連携補助金の要件・補助率・申請方法・採択率など徹底解説!新連携計画や事例も紹介」
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の要求予算額は162.6億円
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の令和4年度概算要求額は162.6億円です。
前身となる「サポイン事業とサビサポ事業(戦略的基盤技術⾼度化・連携⽀援事業)」では、令和3年度予算額は109億円でした。
なお、Go-Tech事業の要求予算を含む「令和4年度当初予算案」は2022年1月17日に閣議決定し、通常国会に提出されています。
前身である「サポイン事業」の採択率は24~46%
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)は新規事業でまだ実績がありませんので、その前身となる「サポイン事業」をみると、採択率は下表のとおりです。
年度 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
令和3年度 | 247 | 60 | 24% |
令和2年度 | 326 | 102 | 31% |
平成31年度 | 298 | 137 | 46% |
平成30年度 | 329 | 126 | 38% |
平成29年度 | 297 | 108 | 36% |
数千~1万件以上の申請がある「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」とくらべると、Go-Tech事業の申請件数はだいぶ低いことがわかります。
なお、サポイン事業の導入事例を知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の事業概要
次に、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の事業概要をご紹介します。
〈事業概要①〉対象事業と2つの申請枠
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の対象となる事業は、「中小企業等が、ものづくり基盤技術及びサービスの高度化に向けて、大学・公設試等と連携して行う研究開発等」です。
具体的には、「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針を踏まえた研究開発等」が支援対象。
なお、高度化に関する指針は、2022年2月中旬に改正される予定です。
また、事業の申請枠は次の2つとなります。
- 通常枠:中小企業者等が大学・公設試等と連携し、高度化指針を踏まえて行う研究開発を支援する
- 出資獲得枠:高度化指針を踏まえて研究開発等を行う中小企業者等であって、補助事業開始(初年度交付決定日)から補助事業終了後1年までの間に、当該研究開発プロジェクトに関し、ファンドといった出資者からの出資を受けることが見込まれる事業者を支援する
〈事業概要②〉補助上限額と補助率
成長型中小企業等研究開発支援事業の補助上限額は、以下のようになります。
- 通常枠:単年度あたり4,500万円以下
2年間合計で7,500万円以下
3年間合計で9,750万円以下 - 出資獲得枠:単年度あたり1億円以下
2年間合計で2億円以下
3年間合計で3億円以下
また補助率は次のとおりです。
- 中小企業者等:2 / 3以内
- 大学・公設試等:定額(補助金総額の1 / 3以下であることが必要)
「大学・公設試等」の補助率について
大学・公設試等の補助率について、通常枠では「事業管理機関(研究開発計画の運営管理や共同体の相互の調整などを主体的に行い、国との総合的な連絡窓口を担う機関)」の場合は、300万円までが定額。
300万円以上では「採択審査委員会」にて高い評価を受けた上位50%については定額ですが、下位50%については「補助率2 / 3以内」が適用されます。
「研究等実施機関(中核的に研究開発等を実施する機関)」である場合は、補助金額の1 / 6までが定額。
それ以上は「採択審査委員会」で高い評価を受けた上位50%については定額となり、下位50%では「補助率2 / 3以内」が適用されます。
なお「採択審査委員会での評価」は初年度のみとなり、2年目と3年目は「中間評価の結果」によります。
〈事業概要③〉申請方法
Go-Tech事業の申請方法は、「e-Rad(府省共通研究開発管理システム)」での申請のみです。
「e-Rad」での申請にはアカウント登録が必要で、登録手続きには2週間ほど要する場合も。
申請を検討されているなら、先に登録手続きを済ませておきましょう。
なお、前身となる「サポイン事業」も、申請はやはり「e-Radでの申請のみ」とされていました。
〈事業概要④〉補助事業期間と公募期間
Go-Tech事業の補助事業期間は、「2年度または3年度」です。
また、公募期間は次の予定となっています。
- 令和4年(2022年)2月頃~令和4年(2022年)4月下旬頃
ちなみに令和3年度「サポイン事業」の公募期間は、以下の日程でした。
- 令和3年(2021年)2月26日~令和3年(2021年)4月22日
〈事業概要⑤〉採択想定件数
事業の採択想定件数は以下のとおりです。
- 通常枠:100件程度
- 出資獲得枠:5~10件程度
前述しましたが、「サポイン事業」ではここ5年間での採択件数は、60件~137件となっています。
まとめ:成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の概要をつかんで申請準備を
この記事では「速報」として、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の事業概要を解説してきました。
昨年度の「サポイン事業」は、2月26日に公募開始となっています。
ぜひ記事を参考に、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の概要をつかんで、公募開始までに申請準備を進めてください。
なお経営者コネクトでは、人気の高い補助金事業である「事業再構築補助金」・「ものづくり補助金」の申請サポートを行っています。
ご関心のある方は、ぜひ下記サイトもご覧ください。