事業承継ガイドラインとは?各章の内容や活用方法をわかりやすく解説

中長企業が抱える問題のひとつに「事業承継」があります。

この記事では中小企業の事業承継で知っておきたい基礎知識「事業承継ガイドライン」について、下記の観点でまとめています。

  • 事業承継ガイドラインとは
  • 事業承継ガイドライン各章の概要
  • 事業承継ガイドラインの活用方法

ぜひ、事業承継に課題を感じられている方は、参考にしてください。

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事業承継ガイドラインとは?

事業承継ガイドラインは、中小企業庁が策定した「中小企業が事業承継するための手引き(ガイドライン)」です。

中小企業の事業承継の現状や事業承継の手順など、中小企業経営者が事業承継のための知識や情報を全96ページにまとめた冊子データになります。

事業承継ガイドラインは無料で全ページ閲覧可能です。

 

また、中小企業庁では、事業承継ガイドラインの内容を踏まえて、他にも事業承継の参考になる冊子データや20問20答なども公開しています。

こちらもすべて無料で閲覧可能です。

事業承継ガイドラインの目的

中小企業庁の「2019年版中小企業白書」によると、2016年の時点で日本の企業の中の中小企業の割合は全体の99%です。
2020年においても、依然として中小企業の割合は大きく変わっていません。

日本の経済を中小企業が支えていることがよくわかりますね。

そんな日本の中小企業が抱えている問題のひとつが「事業承継」です。

日本の中小企業が企業数は一気に減ってしまいます。
中小企業の持っている知識や技術も、失われてしまうのです。

日本の経済や物作りにおいて中小企業の果たす役割は大きいからこそ、中小企業の事業承継は重要になります。

事業承継ガイドラインは中小企業の事業承継を促進すべく、以下のような目的で策定されています。

 
  1. 中小企業の事業承継を円滑にする
  2. 中小企業の事業を活発化させる
  3. 経営者に事業承継の課題を知ってもらう
  4. 中小企業の事業承継の疑問や課題の解決に繋げる
  5. 中小企業の事業承継をスムーズにおこなう
  6. 中小企業経営者が事業承継するときの手引きや基礎知識にできる
  7. 中小企業の事業承継の重要性や現状を知ってもらう

事業承継ガイドラインの位置づけ

事業承継ガイドラインには事業承継の情報や基礎知識は掲載されています。

ですが、このガイドラインを読んだだけで経営者が納得できる事業承継ができるわけではありません。
中小企業にはそれぞれ個性があるからです。

事業承継ガイドラインの位置づけは、あくまで「基礎知識」「ガイドライン」「手引き」「解決の糸口」です。
事業承継ガイドラインの内容を踏まえて、自社の個性や経営者の考え方に合った事業承継を進めることになります。

事業承継ガイドラインの各章の概要

事業承継ガイドラインは全6章・96ページあります。
各章の概要を以下にまとめておりますので、全体像の把握にご活用ください。

第一章 事業承継の重要性

事業承継がドラインの第一章は、「事業承継の重要性」と「事業承継とはどのようものか」について書かれています。

すでにお話ししたように、日本の企業の99%は中小企業です。
中小企業が消えることは、日本社会にとっての損失になります。

また、中小企業は日本各地で事業をしているため地域社会で果たす役割も大きいのが特徴です。
中小企業は商品の製造などを通して仕入れを行う消費者という側面も持っているため、中小企業がなくなってしまうと、地域社会も縮小してしまいます。

しかし、当の中小企業は事業承継において、「経営者の高齢化」や「後継者不足」といった悩みを抱えています。

また第一章では、事業承継の類型も説明されています。
「親族内承継」「役員・従業員承継」「社外への引継ぎ(M&Aなど)」が事業承継の方法として紹介されています。

第二章 事業承継に向けた準備の進め方

事業承継ガイドラインの第二章は「事業承継に向けた準備の進め方」と題して、実際に事業承継をどのように進めるか、5つのステップで説明しています。

ステップ①
事業承継に向けた準備の必要性を認識する

ステップ②
経営状況や経営上の課題を認識する

ステップ③
事業承継に向けた課題の改善や検討をおこなう

ステップ④
事業承継計画の立案、M&Aのマッチング

ステップ⑤
事業承継をする

 

また、事業承継ではなく廃業を検討する場合のサポートや事前準備についてもこの第二章に解説があります。

第三章 事業承継の類型ごとの課題と対応策

事業承継ガイドライン第三章は、事業承継の類型ごとの課題や対策についてまとめられています。

第一章で挙げられた3つの事業承継の類型「親族内承継」「役員・従業員承継」「社外への引継ぎ(M&Aなど)」について、3つの類型それぞれの方法について説明するとともに、解決すべき問題点なども解説されているのが第三章です。

たとえば親族内承継の場合、以下のような流れで事業承継をおこないます。

  • 後継者の選定・育成
  • 後継者候補との対話
  • 後継者教育

解決すべき課題は親族、取引先、金融機関などとの調整が一例です。

第四章 事業承継の円滑化に資する手法

事業承継を進める上で円滑(スムーズ)に進めるための手法についてまとめられているのが事業承継ガイドラインの第四章です。

事業承継をスムーズに進めるための手法として、種類株式や生命保険、信託などの活用についても説明されています。

第五章 個人事業主の事業承継 .

事業承継ガイドラインの第五章は、個人事業主の事業承継を説明しています。

個人事業主も技術や知的資産を有しており、日本経済の発展にはなくてはならない存在です。

個人事業主が事業をやめる場合は、廃業届の提出をします。
しかし、個人事業主の有している事業用資産などは、廃業届だけで解決する問題ではありません。
知的財産を有している場合も、どのように承継すべきかが問題になります。

個人事業主の事業承継方法として、人材バンクの活用などが紹介されています。

第六章 中小企業の事業承継をサポートする仕組み

事業承継ガイドラインの第六章は、中小企業が実際に事業承継するときに受けられるサポートについてまとめられています。

事業承継には税金や法律など、専門知識が必要になる場面があります。
事業承継で困ったときの相談先になる窓口や専門家など、及びそれらの連携状況が説明されています。

事業承継ガイドライン おわりに

事業承継ガイドラインの第六章の後には「おわりに」という章があり、ここまでの内容が総括されています。

またこの章の末尾には、事業承継の使えるヒアリングシートやチェックシート、事業承継計画、記載例などが付属しています。

事業承継ガイドラインの活用方法

中小企業の経営者が事業承継を検討するとき、事業承継ガイドラインをどのように活用したらいいのでしょうか。
事業承継ガイドラインの活用方法はふたつ考えられます。

事業承継の基礎知識をやしなうために使う

事業承継をするためには、中小企業の経営者にもある程度の基礎知識が求められる場面があります。

基本的な事業承継の手法や、そのメリット・デメリットがわからなければ、専門家に依頼すべき内容も明確になりづらいでしょう。
事業承継の基礎知識を事前にやしなっておけば、専門家との話もスムーズに行えるはずです。

事業承継への考えやビジョンをまとめるために使う

事業承継に望むこと、そして会社の将来に望むことは経営者ごとに異なります。
しかし、改めて考えをまとめる機会がなく、問われるとはっきりと答えにくいこともあるでしょう。

実際に事業承継に向けて動き出す前には、会社の将来や事業承継に対して、必ず満たしたい希望と、できれば満たしたいが妥協可能なポイントを整理しておくことがお勧めです。

事業承継ガイドラインは、これらを確認する良いきっかけになることでしょう。

まとめ

事業承継ガイドラインとは、中小企業庁が策定した「事業承継を進めるための手引き」です。
中小企業の事業承継の基礎知識がまとめられていますので、事業承継する際の基礎知識として役立ちます。
一方、事業承継ガイドラインを読んだだけで事業承継が成功するわけではないため注意が必要です。

中小企業にはそれぞれ個性があるため、企業や経営者に合わせて事業承継計画を立案することが重要になります。
事業承継ガイドラインの活用とともに、専門家にも相談し、自社に最適な事業承継に向けて検討してください。

M&Aや事業承継でお悩みならご相談ください!

経営者コネクト』にご相談いただければ、M&Aや事業承継についての知識や経験が豊富な税理士、中小企業診断士や元外資系戦略コンサルタントといった専門家が親身にお話を伺います。

M&Aや事業承継の準備に必要な、将来的な事業計画や経営戦略の策定、マーケット調査、新規事業の検討のお手伝いもさせていただくことが可能です。

さらに、親族や役員・従業員で後継者が見つけられそうにない場合や、できるだけ時間をかけずに事業承継を完了させたい場合には、社外への引き継ぎ(M&A)も視野に入れていくことがポイントとなります。

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