ミラサポplusの統計グラフ化ツール「グラレスタ」とは?特徴や利用方法も解説

経営判断に「統計データ」を使うことはとても有益ですが、必要なデータを複数年分集めるのはひと苦労です。

そんなときに活用したいのが、ミラサポplusの統計グラフ化ツール「グラレスタ」で、これなら誰でも・無料で・カンタンに統計データを利用可能。

この記事では、統計グラフ化ツール「グラレスタ」の基本情報や特徴、利用方法まで解説していきます。

「統計データを経営判断に活かしたい」と考える経営者の方は、ぜひご覧ください。

ミラサポplusの統計グラフ化ツール「グラレスタ」とは?

まずは、ミラサポplusの統計グラフ化ツール「グラレスタ」の基本情報をご紹介します。

「グラレスタ」とは?

「グラレスタ」とは、統計データを誰でも無料でカンタンにグラフ化して利用できるオンラインツールです。

対象は経産省が毎月集計している「生産動態統計調査」の約1,600品目の鉱産物・工業品で、10年分の統計データをグラフでわかりやすく把握することが可能。

2021年3月に、中小企業向け補助金・総合支援サイトの「ミラサポplus」に公開されました。

ミラサポplus:統計グラフ化ツール(グラレスタ) | トップ

次のような疑問を持つ中小・小規模事業者の経営者の方に向けて、その回答となるように作成されています。

  • 自社業界の市場は伸びているのか、縮小しているのか?
    さらに5年前や10年前とくらべてどうか?
  • 主要取引先の業界についてはどうか?
  • 生産量が伸びている、有望な市場や品目はどこか?

ちなみに「グラレスタ」という名称は、「Graphical Representation of Statistics(統計データのグラフ化)」の頭文字からとられたものです。

経済産業省の生産動態統計調査とは?

「生産動態統計調査」とは、鉱工業生産の動態を明らかにし、鉱工業に関する施策の基礎資料を得ることを目的に毎月実施されている、経済産業省の調査です。

経済産業省:生産動態統計調査

「鉱産物及び工業品」のうち、以下のような約1,600品目が対象。
この品目の生産・出荷・在庫の数量や金額などを、生産する全国の約14,000事業所を対象として調査しています。

  • 鉄鋼・鉄鋼加工製品
  • 一般機械器具
  • 電気機械器具
  • 輸送機械器具
  • 精密機械器具
  • 繊維工業品
  • パルプ・紙・紙加工品
  • 印刷
  • 雑貨工業品
  • 化学工業品
  • ゴム製品・プラスチック製品
  • 窯業製品
  • 土石製品・建材
  • 鉱物・石炭製品
  • 石油製品
  • 非鉄金属・非鉄金属加工製品

具体的にどのような物品が含まれるかについては、こちらのエクセルファイルから確認できます。

経済産業省:調査品目の検索(平成30年版)について

統計グラフ化ツール「グラレスタ」の特徴

次に、統計グラフ化ツール「グラレスタ」の特徴をご紹介します。

[特徴①]鉱工業品1,600品目の過去10年のデータをカンタンに確認可能

「グラレスタ」の1点目の特徴は、鉱工業品1,600品目の過去10年のデータをカンタンに確認可能な点です。
こちらのサイトから入力・確認が行えます。

統計グラフ化ツール(グラレスタ) | トップ

年別・月別のグラフで、次のような項目の10年分の推移を表示可能。

  • 生産金額
  • 生産重量
  • 生産数量
  • 販売金額
  • 販売数量

ただし調査票によって調査項目が異なるため、出荷を調査対象としていない品目では、選択肢に表示されません。

また、生産動態統計調査が元データのため、統計調査にふくまれない宿泊業・飲食サービス業・卸売業・小売業などのデータは検索対象から外れています。

使い方としては、品目名をくわしく知らなくても、知りたいキーワードを入力すれば、関連品目を表示してくれます。
最短で「入力1回」と「クリック2回」でカンタンに結果を確認可能。

たとえば、”電動アシスト自転車の販売金額”は、下画像のようなデータが入手できます。

グラフは「10年推移(画像上部)」と「年月推移(画像下部)」でわかれているため、長期と短期の動向を同時に確認可能。

このデータを見れば、電動アシスト自転車の販売金額が年々上昇していることがわかります。

また、画面のグラフ上にマウスのカーソルを合わせると、より詳細なデータを表示可能です。

 

[特徴②]2品目のグラフを比較可能

「グラレスタ」の2点目の特徴は、2品目のグラフをならべて比較可能な点です。
こちらのサイトから入力・確認が行えます。

統計グラフ化ツール(グラレスタ) | 生産動向を比較する

10年間の生産額や数量の推移を2品目同時に表示できるので、生産推移をくらべて見ることができます。

たとえば下画像は、「口紅」と「まゆ墨・まつ毛化粧料(つまりマスカラなど)」の、2020年生産数量をくらべたデータです。

どちらも2020年4月ごろから大きく減少しているため、新型コロナ一度目の緊急事態宣言の影響の度合いがわかります。

ただ「まゆ墨・まつ毛化粧料」は6月から上昇していることから、緊急事態宣言解除後は目元用の化粧品の需要は伸びたが、マスクで口元が隠れるため口紅は需要が減少している状況が確認できます。

 

[特徴③]複数品目の「積み上げグラフ表示」が可能

「グラレスタ」の3点目の特徴は、複数品目の10年間の生産額や数量の推移を「積み上げグラフ」で表示できる点です。
こちらのサイトから入力・確認が行えます。

統計グラフ化ツール(グラレスタ) | 複数品目を積み上げて動向を見る

たとえば下画像は、電池の販売金額データです。

電池全体の販売金額は年々上昇していますが、紫色の「その他のリチウムイオン蓄電池」の額は減少しており、これは「パソコン・携帯電話・デジカメなど」に使われるリチウムイオン蓄電池を指します。

その一方で大幅に上昇しているのが黄土色の「リチウムイオン蓄電池(車載用)」で、2020年には全体の35%ほどまで増加しました。

このように、複数品目を同時にくらべて、関連品目の合計生産額や数量の推移を見ることができます。

統計グラフ化ツール「グラレスタ」の利用方法

記事の最後に、「グラレスタ」の利用方法をご紹介します。

[利用方法①]知りたい物品のグラフを確認する

まずはこちら「グラレスタ」のサイトを訪れてください。

統計グラフ化ツール(グラレスタ) | トップ

ページの中段まで下がると、「生産動向をグラフで見る」という見出しがあるので、「キーワードを入力する」欄に知りたい物品の名称を入力。

出典:ミラサポplus

次に、キーワード入力欄の下にある「品目」と「項目」をクリックして選択すると、該当するグラフが表示されます。

これで知りたい物品のデータ(グラフ)を確認することが可能です。

もし「品目欄」をクリックして「アイテムはありません。」と表示されたら、キーワードを変更してみてください。

また、グラフが正しく表示されないときは、右上にある「表示のリセット」をクリックします。

なお、前述の特徴②・③でご紹介した「グラフの比較」や「積み上げ表示」についても、基本操作は変わりません。

[利用方法②]グラフを保存・印刷する

次に作成したグラフを保存・印刷します。

グラフの下側にグレーのバーがありますので、右側にある「ダウンロード」をクリックしてください。

出典:ミラサポplus

すると下画像のウィンドウが開くので、「PDF」をクリックします。

出典:ミラサポplus

さらに下画像のウィンドウが開くので、「ページサイズ」でお好きなサイズを選んで「ダウンロード」をクリック。

出典:ミラサポplus

これでPDFデータがダウンロードされます。
あとはPDFデータを開いて印刷すれば、パソコンの画面よりも見やすい状態で利用できます。

[利用方法③]詳細な数値データを保存・ダウンロードする

「グラレスタ」では、グラフのデータだけでなく、詳細な数値データも保存・ダウンロードできます。

グラフの上部・右側に表示される「確認」をクリックしてください。

出典:ミラサポplus

すると画面がグラフから数値に変わります。
その後、前項と同様グレーのバーにある「ダウンロード」をクリック。

今度は「クロス集計」をクリックすると、下画像のウィンドウが開きます。
ここで「Excel」形式か、「CSV」形式かを選び、「ダウンロード」をクリックします。

出典:ミラサポplus

これで知りたい品目の、さらに詳細な数値データが保存できました。

[利用方法④]データを経営判断に役立てる

最後に、「グラレスタ」で出力したデータから自社・取引先の生産の動向をつかみ、経営判断に役立ててください。

市場動向を把握して新規事業の立ち上げ、現状の事業からの撤退の検討のきっかけに。
さらに経営戦略の構築、補助金や融資の申請時の事業計画作成など、幅広く活用できるはずです。

まとめ:「グラレスタ」を活用して根拠ある判断を

この記事では、統計グラフ化ツール「グラレスタ」の基本情報や特徴、利用方法まで解説してきました。

今まで「何となく」判断していたことも、「グラレスタ」を活用して、数字の裏付けによる根拠ある判断に変えていきましょう。

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