【2022年最新版】小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の「特別枠」を徹底解説!

2022年3月29日に申請受付が開始された「第8回受付締切分」から、新しく「特別枠」が創設された「小規模事業者持続化補助金〈一般型〉」

この記事では、「小規模事業者持続化補助金〈一般型〉」の「特別枠」の基本情報や、「特別枠」の5つの申請類型について徹底解説していきます。

「『通常枠』よりも補助金上限額が大きい『特別枠』についてくわしく知りたい」という経営者の方は、ぜひご覧ください。

なお、「小規模事業者持続化補助金〈一般型〉」の全般情報についてくわしくは、こちらの記事でご紹介しています。

【2022年最新版】小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の採択率から申請方法まで解説!

小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の「特別枠」の基本情報

まずは、小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の「特別枠」の基本情報をご紹介します。

小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の「特別枠」とは?

小規模事業者持続化補助金の「特別枠」とは、〈一般型〉において「通常枠」のほかに創設された申請類型で、以下の5つが含まれます。

  1. 賃金引上げ枠
  2. 卒業枠
  3. 後継者支援枠
  4. 創業枠
  5. インボイス枠

「第8回受付締切分」からの「令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金〈一般型〉」にて、新設されました。
(ちなみに「第7回受付締切分」までの補助金名は「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金〈一般型〉」)

「通常枠」での申請要件となる「販路開拓」などに加え、賃上げや事業規模の拡大、創業、後継ぎ候補者の新たな取組、インボイス発行事業者への転換といった「環境変化に関する取組」を支援します。

「特別枠」に申請するメリットとデメリット

「特別枠」に申請するメリットとして、次の点が挙げられます。

  1. 補助金の上限額が、「賃金引上げ枠」・「卒業枠」・「後継者支援枠」・「創業枠」では最大200万円に、「インボイス枠」は最大100万円に引き上げられる(「通常枠」は最大50万円)
  2. 赤字事業者が「賃金引上げ枠」で採択の場合、補助率が3 / 4に引き上げられる(「通常枠」は2 / 3)
  3. 赤字事業者が「賃金引上げ枠」で申請する場合、加点による優先採択が行われる

また「特別枠」に申請するデメリットは以下のとおりです。

  1. 「賃金引上げ枠」・「卒業枠」・「インボイス枠」では、補助事業完了時点で要件を満たしていない場合、交付決定後であっても補助金が交付されない
  2. 共同申請では申請できない(共同申請は「通常枠」での申請のみ)

とくにデメリット①は厳しい措置となっています。
上記のメリットとデメリットをくらべたうえで、申請する類型を選んでください。

【特別枠1】「賃金引上げ枠」の制度概要

ここからは、「特別枠」の各申請類型をくわしくご紹介します。
まずは「賃金引上げ枠」です。

「賃金引上げ枠」の申請要件

「賃金引上げ枠」とは、販路開拓の取り組みに加えて、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者を支援する申請類型です。

「賃金引上げ枠」の申請要件は、以下のとおり。

  • 補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上であること
    (事業場内最低賃金:事業者のそれぞれの事業場・店舗などにおける、パート・アルバイトなど非正規雇用者を含む最低賃金)
  • すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上を達成している場合は、現在支給している事業場内最低賃金より+30円以上とする必要がある

この要件を満たさなかった場合、交付が決定されていた事業者についても、補助金は交付されません。

「赤字事業者」について

「賃金引上げ枠」に取り組む事業者のうち、直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロである事業者は「赤字事業者」となり、補助率が3 / 4に引き上げられます。

ちなみに、「課税所得金額」とは以下のことを指します。

  • 法人の場合
    直近1期分の法人税申告書の別表一・別表四の「所得金額又は欠損金額」欄の金額
  • 個人事業主の場合
    直近1年間の「所得税および復興特別所得税」の「確定申告書」第一表の「課税される所得金額」欄の金額

 

「賃金引上げ枠」の補助率と補助上限額

「賃金引上げ枠」の補助率と補助上限額は次のとおりです。

  • 補助率:2 / 3(赤字事業者は3 / 4)
  • 補助上限額:200万円

「賃金引上げ枠」の提出書類と必要な手続き

「賃金引上げ枠」の提出書類は、〈一般型〉の記事でご紹介する「全申請者が必須のもの」のほか、下表の書類となります。

書類名 法人 個人 NPO
賃金引上げ枠の申請に係る誓約書(様式7
労働基準法に基づく賃金台帳
<赤字事業者のみ>
直近1期に税務署へ提出した税務署受付印のある、法人税申告書の別表1・別表4

また、申請時・実績報告書の提出時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 申請時
    ○「経営計画書(様式2)」の「賃金引上げ枠」欄にチェックを入れる
    ○「補助事業計画②(様式3)」の「Ⅱ.経費明細表」の「賃金引上げ枠」欄にチェッ クを入れる
  • 実績報告書の提出時
    ○実績報告書提出時点における、直近1か月分の労働基準法に基づく賃金 台帳の写しを提出する

「赤字事業者」として申請する場合には、上記のほかに、次の手続きが必要となります。

  • 「経営計画書(様式2)」の「赤字事業者」欄にチェックを入れる
  • 「補助事業計画②(様式3)」の「Ⅱ.経費明細表」の「赤字事業者」欄にチェックを入れる

【特別枠2】「卒業枠」の制度概要

次に、小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の「卒業枠」の制度概要をご紹介します。

「卒業枠」の申請要件

「卒業枠」とは、販路開拓の取り組みに加えて、常時使用する従業員を増やし、小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大する事業者を支援する申請類型です。

「卒業枠」の申請要件は以下のとおり。

  • 補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数が小規模事業者として定義する従業員数を超えていること

要件を満たさなかった場合は、交付が決定されていた事業者についても、補助金は交付されません。

なお「常時使用する従業員の数」に、次の者は含めません。

  • (a)会社役員
  • (b)個人事業主本人および同居の親族従業員
  • (c)(申請時点で)育児休業中・介護休業中・傷病休業中または休職中の社員
  • (d)以下のいずれかの条件に該当するパートタイム労働者など
     ①日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて雇用される者、または季節的業務に4か月以内の期間を定めて雇用される者
     ②所定労働時間が、同一の事業所に雇用される「通常の従業員」の所定労働時間にくらべて短い者

また、「小規模事業者として定義する従業員数」とは下表の人数を指します。

業種 常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 6人以上
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 21人以上
製造業その他 21人以上

 

 

「卒業枠」の補助率と補助上限額

「卒業枠」の補助率と補助上限額は次のとおりです。

  • 補助率:2 / 3
  • 補助上限額:200万円

「卒業枠」の提出書類と必要な手続き

「卒業枠」の提出書類は、〈一般型〉の記事でご紹介する「全申請者が必須のもの」のほか、下表の書類となります。

書類名 法人 個人 NPO
卒業枠の申請に係る誓約書(様式8

また、申請時・実績報告書の提出時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 申請時
    ○「経営計画書(様式2)」の「卒業枠」欄にチェックを入れる
    ○「補助事業計画②(様式3)」の「Ⅱ.経費明細表」の「卒業枠」欄にチェッ クを入れる
  • 実績報告書の提出時
    ○実績報告書提出時点における、直近1か月分の労働基準法に基づく労働者名簿を提出する

【特別枠3】「後継者支援枠」の制度概要

次に、小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の「後継者支援枠」の制度概要をご紹介します。

「後継者支援枠」の申請要件

「後継者支援枠」とは、将来的に事業承継を行う予定があり、新たな取組を行う後継者候補として「アトツギ甲子園」のファイナリストになった小規模事業者を支援する申請類型です。

「後継者支援枠」の申請要件は以下のとおり。

  • 申請時において「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者であること

アトツギ甲子園とは?

「アトツギ甲子園」とは、 全国各地の中小企業の後継者・後継者候補(アトツギ)が、新規事業アイデアを競うピッチイベントです。

イベントは中小企業庁が開催し、第2回アトツギ甲子園は2022年3月12日に実施されました。

 

(参考)
アトツギ甲子園:公式ウェブサイト

「後継者支援枠」の補助率と補助上限額

「後継者支援枠」の補助率と補助上限額は次のとおりです。

  • 補助率:2 / 3
  • 補助上限額:200万円

「後継者支援枠」の提出書類と必要な手続き

「後継者支援枠」の提出書類は、〈一般型〉の記事でご紹介する「全申請者が必須のもの」となります。

また、申請時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 「経営計画書(様式2)」の「後継者支援枠」欄にチェックを入れ、ファイナリストに選出された年度を記入する
  • 「補助事業計画②(様式3)」の「Ⅱ.経費明細表」の「後継者支援枠」欄にチェッ クを入れる

【特別枠4】「創業枠」の制度概要

次に、小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の「創業枠」の制度概要をご紹介します。

「創業枠」の申請要件

「創業枠」とは、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む小規模事業者を支援する申請類型です。

「創業枠」の申請要件は以下のとおり。

  • 産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、かつ、過去3か年のあいだに開業した事業者であること

法人の場合は「法人の代表者」が、個人事業主の場合は「個人事業主本人」が「特定創業支援等事業」による支援を受けた者であることが要件となります。

 

特定創業支援等事業とは?

「特定創業支援等事業」とは、市区町村または認定連携創業支援等事業者が創業希望者などに行う継続的な支援で、経営・財務・人材育成・販路開拓の全ての知識が身につく事業を指します。

産業競争力強化法に基づいて実施される事業です。

「特定創業支援等事業」を受け、各認定市区町村から証明書を発行されると、以下のような支援制度を活用することができます。

  1. 会社設立時の登録免許税の軽減
  2. 信用保証協会創業関連保証の特例
  3. 日本政策金融公庫の融資制度

(参考)
中小企業庁:産業競争力強化法に基づく認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要
渋谷区:特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書について

「創業枠」の補助率と補助上限額

「創業枠」の補助率と補助上限額は次のとおりです。

  • 補助率:2 / 3
  • 補助上限額:200万円

「創業枠」の提出書類と必要な手続き

「創業枠」の提出書類は、〈一般型〉の記事でご紹介する「全申請者が必須のもの」のほか、下表の書類となります。

書類名 法人 個人 NPO
「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けたことの証明書
現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書
開業届(税務署受付印のあるもの)

また、申請時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 「経営計画書(様式2)」の「創業枠」欄にチェックを入れる
  • 「補助事業計画②(様式3)」の「Ⅱ.経費明細表」の「創業枠」欄にチェッ クを入れる

【特別枠5】「インボイス枠」の制度概要

記事の最後に、小規模事業者持続化補助金〈一般型〉の「インボイス枠」の制度概要をご紹介します。

「インボイス枠」の申請要件

「インボイス枠」とは、免税事業者であった事業者が、インボイス発行事業者として新たに登録し、あわせて販路開拓の取り組みを行う小規模事業者を支援する申請類型です。

「インボイス枠」の申請要件は以下のとおり。

  • 2021年9月30日~2023年9月30日の属する課税期間で、一度でも免税事業者であった、または免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス(適格請求書)発行事業者の登録が確認できた事業者であること

要件を満たさなかった場合は、交付が決定されていた事業者についても、補助金は交付されません

なお、インボイス対応のためのパソコンやプリンターなどの周辺機器は、「小規模事業者持続化補助金」の補助対象とはなりません

インボイス対応を見据えたデジタル製品の導入に関する補助制度としては、記事「【経営者向け】IT導入補助金とは?2021(令和3年度)概要・申請方法・事例も紹介」でご紹介する「IT導入補助金」がおすすめです。

 

インボイス制度とは?

「インボイス制度」とは、複数税率に対応した仕入税額控除の方式のことで、令和5(2023)年10月1日に運用が開始されます。
正式な名称は「適格請求書等保存方式」。

「インボイス」とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額などを伝えることを指します。

売手(登録事業者)は、取引相手(課税事業者)から求められた場合、インボイスを交付しなければなりません。
一方の買手は、仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存などが必要です。

(参考)
国税庁:インボイス制度の概要

「インボイス枠」の補助率と補助上限額

「インボイス枠」の補助率と補助上限額は次のとおりです。

  • 補助率:2 / 3
  • 補助上限額:100万円

「インボイス枠」の提出書類と必要な手続き

「インボイス枠」の提出書類は、〈一般型〉の記事でご紹介する「全申請者が必須のもの」のほか、下表の書類となります。

書類名 法人 個人 NPO
インボイス枠の申請に係る宣誓・同意書(様式9 法人用個人用

また、申請時・実績報告書の提出時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 申請時
    ○「経営計画書(様式2)」の「インボイス枠」欄にチェックを入れる
    ○「補助事業計画②(様式3)」の「Ⅱ.経費明細表」の「インボイス枠」欄にチェッ クを入れる
  • 実績報告書の提出時
    ○インボイス(適格請求書)発行事業者の登録通知書の写しを提出する

まとめ:小規模事業者持続化補助金「特別枠」の制度内容を把握して活用を

この記事では、「小規模事業者持続化補助金〈一般型〉」の「特別枠」の基本情報や、「特別枠」の5つの申請類型について徹底解説してきました。

ぜひ記事を参考に、 小規模事業者持続化補助金の「特別枠」の制度内容を把握し、活用をご検討ください。

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