【ものづくり補助金】「グリーン枠」をわかりやすく解説!【10次公募からの新枠③】

8次締切では4,653者もの応募数があるなど、補助金制度のなかでも人気の高い「ものづくり補助金」
2022年2月16日に公募開始された10次締切分から、「3つの新枠」が創設されました。

この記事では、新枠のひとつ「グリーン枠」をわかりやすく解説していきます。

「ものづくり補助金への申請を検討している」という経営者の方は、ぜひご覧ください。

なお「ものづくり補助金の全般」は、こちらの記事でくわしくご紹介しています。

【ものづくり補助金まとめ】制度概要や申請方法、採択結果などわかりやすく解説【2021年度版】

【ものづくり補助金】「グリーン枠」とは?【基本情報】

まずは、ものづくり補助金の「グリーン枠」についての基本情報をご紹介します。

「グリーン枠」とは、温室効果ガスの排出削減等に取り組む事業者を支援する類型

「グリーン枠」とは、温室効果ガスの排出削減などに取り組む事業者を支援する、ものづくり補助金の申請類型です。

温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発または炭素生産性 向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な 設備・システム投資などに、補助金が支給されます。

「新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けつつも、生産性向上に取り組む事業者向けの特別枠」として、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、「デジタル枠」とともに10次公募から新設されました。

 

「グリーン枠」の想定活用事例

中小企業庁の資料では、「グリーン枠」の想定活用事例が次のように紹介されています。

・ 脱炭素化に寄与する設備・システムを導入するととも に、電気自動車向け部品を製造するための機械装置 を導入することで、生産工程の脱炭素化と付加価値 向上の両立を目指す。

出典:中小企業庁

また、補助対象経費の例として次の費用が挙げられています。

  • 専門家による技術導入に要する費用
  • 脱炭素化に寄与するシステム構築に要する費用
  • エネルギー効率に優れた機械を導入する費用

不採択の場合の通常枠での再審査はナシ

「グリーン枠」はものづくり補助金の特別枠ですが、不採択の場合の「通常枠」での再審査はありません

一方、同じ新枠の「回復型賃上げ・雇用拡大枠」と「デジタル枠」では、申請して不採択となった場合に「通常枠」として再審査が行われます。

ものづくり補助金の10次公募からの変更点

「グリーン枠」は、2022年2月16日に公募開始された10次公募から設けられた新枠です。

ものづくり補助金の10次公募からは、新枠創設のほかに以下のような点も変更されました。

  • 新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)が廃止に
  • 一般型で従業員規模に応じた補助上限額の設定
  • 補助対象事業者の見直し・拡充
  • 加点項目・減点項目が追加

なお、10次公募からの変更点については、記事「【ものづくり補助金】10次締切の変更点を解説!3つの新枠が創設されました」でくわしく紹介しています。

【ものづくり補助金】「グリーン枠」の制度概要

次に、ものづくり補助金の「グリーン枠」の制度概要をご紹介します。

〈概要①〉申請要件

ものづくり補助金の「グリーン枠」 の申請要件は、後述する基本要件のほか、次の3点をすべて満たすことです。

  • (1)次の①または②に該当する事業である
      ①温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発
      ②炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善
  • (2)3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1% 以上増加する事業である
  • (3)これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体 的な取組内容)を示す

なお、中小企業庁の資料によれば、「労働生産性と炭素生産性向上はどちらも必要」とされています。
また、生産プロセスやサービス提供方法の改善を伴わない、以下のような設備更新は支援対象とはなりません。

  • 例)既存機械装 置をエネルギー効率の高い機械装置に入れ替えることのみを目的とした事業計画である場合

〈概要②〉補助金額と補助率

「グリーン枠」の補助金額と補助率は以下のとおりで、補助金の上限は従業員数によって変わります。

従業員数 補助金額 補助率
5人以下 100万円~1,000万円 2 / 3
6人~20人 100万円~1,500万円 2 / 3
21人以上 100万円~2,000万円 2 / 3

〈概要③〉補助対象経費

「グリーン枠」の補助対象となる経費は、 事業の対象として明確に区分でき、経費の必要性・金額の妥当性を証拠書類で確認できる、以下の経費です。

  • 機械装置・システム構築費:専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費 など
  • 技術導入費:本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費
  • 専門家経費:本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
  • 運搬費:運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
  • クラウドサービス利用費:クラウドサービスの利用に関する経費
  • 原材料費:試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
  • 外注費:新製品・サービスの開発に必要な加工や設計・検査等の一部を外注する場合の経費
  • 知的財産権等関連経費:新製品・サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費
  • 海外旅費(グローバル展開型のみ):海外事業の拡大・強化等を目的とした、本事業に必要不可欠な海外渡航及び宿泊等に要する経費

また、対象となる経費は、交付決定日以降に発注を行い、補助事業実施期間内に支払いを完了したものに限られます。

〈概要④〉申請・提出書類

「グリーン枠」の申請・提出書類は次のとおりです。

  1. 事業計画書
  2. 賃金引上げ計画の誓約書【様式1】
  3. 決算書等
  4. 従業員数の確認資料
  5. 労働者名簿
  6. 炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況 【様式2】
  7. その他加点に必要な資料(任意)

〈概要⑤〉事業計画書に記載する「その1:補助事業の具体的取組内容」

ものづくり補助金では、事業計画書に次の3点を記載します。

  • その1:補助事業の具体的取組内容
  • その2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
  • その3:会社全体の事業計画

そして「グリーン枠」の申請では、「その1:補助事業の具体的取組内容」に、 「様式2」を使って、以下のような項目を具体的かつ詳細に記載することが必要です。

  • 3~5年の事業計画期間内に、事業場単位での炭素生産性を年率平均1%以上増加させる具体的な計画内容
  • これまでに自社で実施した温室効果ガス排出削減の取組内容の有無やその効果 など

〈概要⑥〉審査項目

ものづくり補助金では以下の審査項目がありますが、「グリーン枠」に限り(5)の項目も審査されます。

  • (1)補助対象事業としての適格性
  • (2)技術面
  • (3)事業化面
  • (4)政策面
  • (5)炭素生産性向上の取組等の妥当性(「グリーン枠」のみ)
      ① 炭素生産性を向上させるための課題が明確になっており、温室効果ガスの排出削減等に 対して有効な投資となっているか
      ② 炭素生産性を向上させるための取組内容が具体的に示されており、その算出根拠、効果 が妥当なものとなっているか
      ③ 設備投資の効果が定量的に示されており、その算出根拠が妥当なものとなっているか。また、本事業の目標に対する達成度の考え方、見込みが明確に設定されているか
      ④ 温室効果ガスの排出削減、エネルギー消費削減等に資する継続的な取組が実施されているか

なお、上記(5)については「様式2」をもとに審査が行われます。

ものづくり補助金とは?制度概要を紹介

記事の最後に、ものづくり補助金の制度概要をご紹介します。

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金とは、中小企業などが取り組む「革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資」を支援する制度です。

次の補助金制度とともに、中小企業庁が行う「中小企業生産性革命推進事業」の一つに位置づけられています。

  • IT導入補助金:中小企業などが行うバックオフィス業務の効率化や、新たな顧客獲得といった付加価値向上に値するITツールの導入を支援する
  • 持続化補助金一般型低感染リスク型ビジネス枠):小規模事業者が、経営計画を作成して取り組む販路開拓などを支援する

ものづくり補助金の全般を知りたい方は、記事「 【ものづくり補助金まとめ】制度概要や申請方法、採択結果などわかりやすく解説【2021年度版】 」もご覧ください。

ものづくり補助金の申請要件(基本要件)

ものづくり補助金の申請要件は、まずは以下の補助事業実施期間内に、発注・納入・検収・支払などすべての事業の手続きが完了する事業である点です。

  • 一般型(通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠):交付決定日から10ヶ月以内(ただし、採択発表日から12ヶ月後の日まで)
  • グローバル展開型:交付決定日から12ヶ月以内(ただし、採択発表日から14ヶ月後の日まで)

上記のほか「基本要件」として、以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定することが必要となります。

  1. 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加する
  2. 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
  3. 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。

ものづくり補助金の申請類型と補助上限額・補助率

ものづくり補助金の申請類型と補助上限額・補助率は、以下のとおりです。

申請類型 補助上限額 補助率
一般型(通常枠) 750~1,250万円 ※ 1 / 2
(小規模企業者・小規模事業者、再生事業者:2 / 3)
一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠 ) 750~1,250万円 ※ 2 / 3
一般型(デジタル枠 ) 750~1,250万円 ※ 2 / 3
一般型(グリーン枠 ) 1,000~2,000万円 ※ 2 / 3
グローバル展開型 3,000万円 1 / 2
(小規模企業者・小規模事業者:2 / 3)

※:従業員規模により異なります

ものづくり補助金の採択者数と採択率

ものづくり補助金の採択者数と採択率は、下表のとおりです。

締切回 採択発表日 応募者数 採択者数 採択率
1次締切 令和2年4月28日 2,287者 1,429者 62.5%
2次締切 令和2年6月30日 5,721者 3,267者 57.1%
3次締切 令和2年9月25日 6,923者 2,637者 38.1%
4次締切
〔一般型〕
令和3年2月18日 10,041者 3,132者 31.2%
4次締切
〔グローバル展開型〕
令和3年2月18日 271者 46者 17.0%
5次締切
〔一般型〕
令和3年3月31日 5,139者 2,291者 44.6%
5次締切
〔グローバル展開型〕
令和3年3月31日 160者 46者 28.3%
6次締切
〔一般型〕
令和3年6月29日 4,875者 2,326者 47.7%
6次締切
〔グローバル展開型〕
令和3年6月29日 105者 36者 34.3%
7次締切
〔一般型〕
令和3年9月27日 5,414者 2,729者 50.4%
7次締切
〔グローバル展開型〕
令和3年9月27日 93者 39者 41.9%
8次締切
〔一般型〕
令和4年1月12日 4,584者 2,753者 60.1%
8次締切
〔グローバル展開型〕
令和4年1月12日 69者 27者 39.1%
合計 45,682者 20,719者 45.4%

1~5次締切までのものづくり補助金の採択結果については、記事「【2020年度1-5次採択情報追加】「ものづくり補助金」採択実績から採択されるポイントを読み解く!」でくわしく分析しています。

10次締め切りのスケジュールと申請方法

ものづくり補助金10次締め切りのスケジュールは次のとおりです。

  • 公募開始:令和4年(2022年)2月16日(水)17時~
  • 申請受付:令和4年(2022年)3月15日(火)17時~
  • 応募締切:令和4年(2022年)5月11日(水) 17時
  • 採択発表:令和4年(2022年)7月中旬の予定
出典:ものづくり補助金 公式サイト

補助事業の類型「一般型」と「グローバル展開型」では、スケジュールは同じです。

10次締め切り後も申請受付は継続され、令和4年度(2022年度)内に複数回の締切を設け、それまでに申請のあった分の審査と採択発表が随時行われます。

また10次締め切りの申請方法は、「電子申請システムでのみ受け付け」となっています。
申請書類を準備し、こちらの電子申請システムから申請を行ってください。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金:電子申請システム

締切日の前日~当日は申請が集中し、申請手続きが滞る可能性があります。
十分余裕を持って申請を行いましょう。

なお、電子申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要ですので、早めに利用登録を行ってください。
「GビズIDプライムアカウント」の登録申請方法は、記事「 GビズIDの「gBizIDプライム」とは?必須の補助金や登録申請方法を紹介 」でご紹介しています。

 

まとめ:脱炭素化の推進を行うなら「グリーン枠」申請の検討を

この記事では、ものづくり補助金の新枠のひとつ「グリーン枠」をわかりやすく解説してきました。

他の新枠よりも補助金上限額が大きく、脱炭素化事業の推進を検討している事業者の方には、おすすめの申請類型です。
ぜひ記事を参考に、ものづくり補助金の「グリーン枠」申請をご検討ください。

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