2021年2月4日に、事業再構築補助金の「特別枠」が創設されることが発表されました。
この「特別枠」とは何か、通常枠とのメリット・デメリット等の比較、どちらに申請すべきか等を解説します。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金は、中小企業・中堅企業を対象とした、補助金額最大1億円の補助金です。
新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す中小企業等が対象となります。
1兆1400億円と非常に大きな予算が組まれており、55,000社程度が採択される見込みです。
2021年に実施される新型コロナウイルスの経済対策の中核的な位置づけとなる補助金です。
要件に一致する事業者にとっては、補助金額・補助率も高いため、大きなチャンスです。
事業再構築補助金の制度についてより詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
【事業再構築補助金まとめ】制度概要や申請できる企業、申請方法、採択結果などすべて解説
【Q&A】最大1億円の「事業再構築補助金」について疑問に答えます
事業再構築補助金の特別枠とは
1月~3月のいずれかの月の売上高が、前年もしくは前々年同月比で30%以上減少している場合に、申請可能となります。
補助上限が制限される一方で、補助率が高くなることが特徴です。
通常枠より、迅速な審査・採択を行うとともに、特別枠で不採択の場合でも、通常枠で再審査を受けることが可能になります。
参考:ミラサポPLUS
事業再構築補助金の通常枠と特別枠の比較(メリット・デメリット)
通常枠のメリット
- 補助金額が大きい(中小企業でも6,000万円~)
特別枠のメリット
- 補助率が高い(中小企業3/4、中堅企業2/3)
- 審査と採択が迅速
通常枠と特別枠の比較
通常枠 | 特別枠 | |
補助上限金額 |
中小企業:6000万円~1億円 中堅企業:8000万円~1億円 |
従業員数5人以下:500万円 従業員数6人~20人:1000万円 従業員数21人以上;1500万円 |
補助率 |
中小企業:2/3 中堅企業:1/2 |
中小企業:3/4 中堅企業:2/3 |
事業再構築補助金の通常枠と特別枠は併願できるの?
通常枠と特別枠は併願可能です。
特別枠では、迅速な審査・採択が行われるとともに、特別枠で不採択の場合は、通常枠で再審査を受けることが可能です。
特別枠で採択後に通常枠の申請はできるの?(その逆も)
事業再構築補助金の採択は1社につき1回になります。
そのため、通常枠で採択された事業者が特別枠で再度申請をすること、逆に特別枠で採択された事業者が通常枠で再度申請することはできません。
事業再構築補助金は、通常枠と特別枠のどちらに申請すべき?
特別枠は、「迅速な審査・採択がされる」「補助率が高い」というメリットがある反面、「上限額が通常枠に比べて低い」というデメリットがあります。
そのため、特別枠の要件を満たす場合で、特別枠の補助上限金額で収まる投資を予定している事業者は、特別枠で申請するほうがよいことになります。
一方で、特別枠の補助上限金額に収まらない投資を予定している事業者は、基本的には通常枠で申請するほうがいいでしょう。
事業再構築補助金の申請に向けて準備すべきこと
事業再構築補助金は2021年3月から申請受付を開始することが発表されています。
現時点で、締切の時期は発表されていませんが、1回目の締切は、応募開始から比較的短期の可能性もあります。
なお補助金額が最大1億円と高額のため、厳正な審査が行われ、採択可否が決定すると考えられます。
補助金の申請準備には、通常1ヶ月以上かかるため、早めの準備をすることをおすすめします。
現時点で準備できること
また詳しい応募要項などは出ていませんが(2021年2月7日時点)、今からできる準備もあります。
以下に一例を挙げますので、出来ることから始めていくことをお勧めします。
- GビズIDの取得
(電子申請システムの利用に当たり必ず必要です。取得までに2~3週間かかります。) - 事業計画の策定
(公募要領発表はまだですが、現時点からどのような事業を行うかの計画を作っておきましょう) - 申請にあたっての支援機関を探す
(認定支援機関と協力して「事業再構築指針」に沿った事業計画を策定する必要があります)
ご関心のある方は下記サイトもご覧ください。