【Q&A】最大1億円の「事業再構築補助金」について疑問に答えます

2020年12月に閣議決定された最大1億円の補助金を受けられる「事業再構築補助金」への注目度が高まっています。

この記事では、我々「経営者コネクト」が事業再構築補助金の応募を検討される企業様を対象に行っている無料相談で頂く疑問に、最新の情報をもとに回答していきます。

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目次

事業再構築補助金とは

Q. 事業再構築補助金の目的・政策的な位置づけは?

A. 2021年より応募が開始された、補助金額最大1億円の補助金です。

新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す中小企業等が対象となります。

1兆1400億円と非常に大きな予算であり、2021年に実施される新型コロナウイルスの経済対策の中核的な位置づけの一つです。

制度全体の概要はこちらの記事でも紹介しています。

【事業再構築補助金まとめ】制度概要や申請できる企業、申請方法、採択結果などすべて解説

Q. 事業再構築補助金の補助金額は?補助率は?

A. 中小企業と中堅企業で条件が異なり、100万円~最大1億円の補助が受けられます。
補助率は中小企業の場合は2/3~3/4、中堅企業の場合は1/2~2/3です。

まずは中小企業の補助金額です。
中小企業の応募枠には「通常枠」「卒業枠」「緊急事態特別宣言枠」「大規模賃金引上枠」「最低賃金枠」の5種類があります。

中小企業(「通常枠」)

  • 補助金額:100万円以上6,000万円以下
  • 補助率:2 /3

中小企業(「卒業枠」)

  • 補助金額:6,000万円超〜1億円以下
  • 補助率:2 /3

中小企業(「緊急事態宣言特別枠」)

  • 補助金額
    • 【従業員5人以下】100万円超〜500万円以下
    • 【従業員6~20人】100万円超~1,000万円以下
    • 【従業員21人以上】100万円超~1,500万円以下
  • 補助率:3/4

中小企業(「大規模賃金引上枠」)

  • 補助金額:8,000万円超~1億円
  • 補助率:2/3

中小企業(「最低賃金枠」)

  • 補助金額
    • 【従業員5人以下】100万円超〜500万円以下
    • 【従業員6~20人】100万円超~1,000万円以下
    • 【従業員21人以上】100万円超~1,500万円以下
  • 補助率:3/4

「卒業枠」は400社限定です。
計画期間内に、次のいずれかによって資本⾦また社員を増やし、中⼩企業から中堅企業へ成⻑する事業者向けの特別枠となります。

  1. 組織再編
  2. 新規設備投資
  3. グローバル展開

 

「緊急事態宣言特別枠」は令和3年の国による緊急事態宣言発令により深刻な影響を受け、早期に事業再構築が必要な飲食サービス業、宿泊業等を営む事業者向けの枠となります。
中小企業・中堅企業に共通する枠です。

 

「大規模賃金引上枠」は150社限定です。通常枠の申請要件に加えて次の2点を満たす、従業員数101人以上の事業者です。こちらも中小企業・中堅企業に共通する枠です。

  1. 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、事業場内の最低賃金を「年額45円以上の水準」で引き上げる
  2. 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させる

 

「最低賃金枠」は通常枠の申請要件に加えて次の2点を満たす事業者が対象です。こちらも中小企業・中堅企業に共通する枠です。

  1. 2020年10月~2021年6月に、3か月以上「最低賃金+30円」以内で雇用している従業員が、全従業員数の10%以上いる
  2. 2020年4月以降のいずれかの月の売上高が、対前年または前々年の同月比で30%以上減少している
    (売上高の減少に代えて、付加価値額の45%の減少でも可)

 

次に中堅企業の補助金額です。
中堅企業の応募枠は「通常枠」と「グローバルV字回復枠」と「緊急事態宣言特別枠」の3種類あります。

中堅企業(「通常枠」)

  • 補助金額:100万円以上8,000万円以下
  • 補助率:1 / 2

中堅企業(「グローバルV字回復枠」)

  • 補助金額:8,000万円超〜1億円以下
  • 補助率:1 / 2

中堅企業(「緊急事態宣言特別枠」)

  • 補助金額
    • 【従業員5人以下】100万円超〜500万円以下
    • 【従業員6~20人】100万円超~1,000万円以下
    • 【従業員21人以上】100万円超~1,500万円以下
  • 補助率:2/3

中堅企業(「大規模賃金引上枠」)

  • 補助金額:8,000万円超~1億円
  • 補助率:1/3

中堅企業(「最低賃金枠」)

  • 補助金額
    • 【従業員5人以下】100万円超〜500万円以下
    • 【従業員6~20人】100万円超~1,000万円以下
    • 【従業員21人以上】100万円超~1,500万円以下
  • 補助率:2/3

こちらの「グローバルV字回復枠」は100社限定です。
以下の条件を全て満たす、中堅企業向けの特別枠となります。

  1. 直前6カ⽉間のうち、売上⾼の低い3カ⽉の合計売上⾼が、新型コロナ感染症以前の同3カ⽉の合計売上⾼と⽐較して、15%以上減少している中堅企業である
  2. 事業終了後3〜5年で、付加価値額または社員⼀⼈当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成している
  3. グローバル展開を果たす事業である

Q. 事業再構築補助金の公式情報はどこに載っているの?

A. 事業再構築補助金に関して、現時点で政府や経産省などから公式に発表されている情報は、以下のページに掲載されています。

  • 3月に事業再構築補助金のホームページが作られました。以下のような重要な情報は全てこのページに掲載されます。
    • 公募要領
    • 申請書の様式
    • コールセンターの問い合わせ先

それ以前の経産省などからの発表資料を確認したい方は、以下の資料もご覧ください。

 

 

 

FAQ(よくあるお問合せ)、補助対象経費の例等が掲載されています。

事業再構築補助金に申請できる「企業」について

Q. 補助対象者は?

A. 事業再構築補助金の補助対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者等及び中堅企業等です。
補助対象者の要件は公募開始日に満たしている必要があります。

Q. 事業再構築補助金の対象となる「中小企業者」とは?

A. 前述のように、通常枠に応募する場合の上限金額は、中小企業で6,000万円、中堅企業で8,000万円と異なります。
この「中小企業」の定義は、以下の通り発表されています。

  中小企業者
(以下のいずれかを満たすこと)
業種 資本金の額又は出資の総額 常時使用する従業員の数

製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業又は情報処理サービス業、その他
(下記業種を除く)

3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円以下 900人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下

その他、以下のいずれかを満たす場合は中小企業者としての申請となります。

  • 中小企業等経営強化法第2条第1項第6号~第8号に定める法人(企業組合等)又は法人税法別表第二に該当する法人
  • 法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人(従業員数が300人以下である者に限る。)

Q. 「中堅企業等」に含まれる中小企業とは?

A. 以下の場合は大企業もしくは中堅企業ととしての扱いとなり、いずれも中堅企業等として、通常枠、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠での申請となります。

  • みなし大企業とされる中小企業

次の①~⑤のいずれかに該当する者は、大企業(資本金10億円以上)とみなされます

  1. 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業者
  2. 発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業者
  3. 大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者
  4. 発行済株式の総数又は出資価格の総額を①~③に該当する中小企業者が所有している中小企業者
  5. ①~③に該当する中小企業者の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている中小企業者
  • みなし中堅企業とされる中小企業

同様に、上記で「大企業」とされている部分が「中堅企業」である場合には、みなし中堅企業の扱いとなります。
また⑥に定める事業者に該当する者は中小企業者から除き、中堅企業として扱います。

  1. 発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の中堅企業が所有している中小企業者
  2. 発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を中堅企業が所有している中小企業者
  3. 中堅企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者
  4. 発行済株式の総数又は出資価格の総額を①~③に該当する中小企業者が所有している中小企業者
  5. ①~③に該当する中小企業者の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている中小企業者
  6. 応募申請時点において、確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者

いずれの場合も中堅企業等としての申請となります。

Q. 事業再構築補助金の最大金額を分ける「中堅企業」とは?

A. 前述のように、通常枠に応募する場合の上限金額は、中小企業で6,000万円、中堅企業で8,000万円と異なります。
この「中堅企業」の定義は、以下の①②を両方とも満たす企業です。

  1. 下記のいずれかの法人であること
    • 会社若しくは個人、中小企業等経営強化法第2条第1項第6号~第8号に定める法人(企業組合等)
    • 法人税法別表第二にあてはまる法人
    • 法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人
  2. 下記の要件を満たす法人であること
    • 上記「中小企業者」に該当しないこと
    • 資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人であること
    • 資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下であること

Q. 事業再構築補助金に申請できる業種は?

A. 企業規模を満たしていれば、すべての業種が申請可能です。

Q. 事業再構築補助金の申請資格は?

A. 以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
  • 事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

持続化給付金や家賃支援給付金では、任意の1ヶ月について前年同月との比較でしたが、事業再構築補助金では任意の3ヶ月での比較となります。
また、認定支援機関や金融機関等の専門家と事業計画を策定することが必須となります。

事業再構築補助金に申請できる「事業」とは

Q. どのような取り組みが「事業再構築」に該当するの?

A. 経済産業省等から発表されている公式資料には、事業再構築の例として、以下表の内容があげられています。

コロナの影響で売上や受注が減少した企業が、それまでの強みやノウハウを生かして、新たな領域の事業に挑戦することを「事業再構築」としているようです。

これらの発表を見る限り、業種や投資対象の制限はそれほど厳しくなく、コロナの影響が一定程度認められる企業の事業転換であれば多くのケースが該当する可能性があります。

業種 事業再構築の具体事例
製造業

●航空機部品を製造している事業者が、コロナの影響で需要が激減したため、当該事業の圧縮・関連設備の廃棄を⾏い、新たな設備を導⼊してロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に⽴上げる
→ 補助経費の例:事業圧縮にかかる設備撤去の費用、新規事業に従事する従業員への教育のための研修費用など

●産業機械向け金属部品を製造する事業者が、人工呼吸器向けの特殊部品の製造に着手、新たに工作機械を導入する

●光学技術を用いてディスプレイなどを製造している事業者が、接触感染防止のため、タッチレスパネルを開発。医療現場や、介護施設、公共空間の設備等向けにサービスを展開する

●ガソリン⾞の部品を製造している事業者が、コロナ危機を契機に従来のサプライチェーンが変化する可能性がある中、今後の需要拡⼤が⾒込まれるEVや蓄電池に必要な特殊部品の製造に着⼿、⽣産に必要な専⽤設備を導⼊する

●金属表面処理技術を活かし、銀の抗菌被膜を形成する抗ウイルス製剤の製造に着手、生産ラインを新規に立ち上げて主力の事業とする

飲食業

●売上が激減した飲食店が客席や厨房等の設備を縮小して経費を節減。その一方で、オンライン上で注文を受付できるサービスを導入。宅配や持ち帰りにも対応する
→ 補助経費の例:店舗縮小にかかる建物改修の費用、新規サービスにかかる機器導入費や広告宣伝のための費用など

●飲食店が、観光客の三密回避のため、来客データの収集と分析をし、来店予測、混雑予報AIを開発。飲食店をはじめ様々な業種にサービスを展開する

小売業

●衣服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で客足が減り、売上が減少。店舗での営業規模を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換
補助経費の例:店舗縮小にかかる店舗改修の費用、新規オンラインサービス導入にかかるシステム構築の費用など

宿泊業 ●宿泊客数が激減し、ホテルの稼働率が低下している中、テレワークの拡大を受けて、客室をテレワークルームやコワーキングスペースに改造し不動産賃貸業に業種転換する

Q. 事業再構築補助金の「対象経費」は?

A. 公募要領には下記のように記載されています。

  • 建物費
  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費(加工、設計・検査等)
  • 知的財産権など関連経費
  • 研修費(教育訓練費等)
  • 技術導入費(知的財産権導入に係る経費)
  • 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
  • 海外旅費※卒業枠、グローバルV字回復枠のみ

これまでの中小企業向けの補助金と比較して、「建物や建物改修費が対象になる」というのが目新しい点です。
コロナ感染症で、飲食業や宿泊業等が大きな影響を受けており、その業態転換を促すためにその店舗や施設等の改修が含まれるものと推測されます。

事業再構築補助金の申請について

Q. 事業再構築補助金の募集期間はいつ開始?何回募集がある?

A. これまでの公募の締め切りは以下の通りです。

  • 第一回公募:4/30
  • 第二回公募:7/2
  • 第三回公募:9/21

約2か月に1回のペースであることから、第四回は11月下旬締め切りであることが予想されます。

募集回数については2021年度全体で5回の公募が予定されています。

【1/28経産省の発表速報】事業再構築補助金の受付け開始時期・採択件数・対象経費について

Q. 事業再構築補助金の申請方法は?

A. 事業再構築補助金の申請方法は、GビズIDでの申請のみの受付となっています。

GビズIDの取得には、Web上での申込みに加えて、申請書を印刷した上で印鑑証明証明書を添付して事務局に送付する必要があります。

ID取得までには2~3週間程度かかるため、まだGビズIDを取得していない企業は、早めに申請することをおすすめします。
第一次公募の際、締切となる4月30日にGビズIDへのアクセスが集中し、サーバー過負荷が発生していました。
現在は復旧していますが、早めのGビズID取得をおすすめします。

なお、GビズIDは事業再構築補助金に限らず経済産業省の補助金等で汎用的に使用できるIDのため、事業再構築補助金への申請をしなくなった場合でも、後々使える可能性があります。

Q. 事業再構築補助金の申請に必要な書類は?

A. 申請時に下記の添付書類が必要です。

添付書類 該当する枠

①事業計画書(最大15ページで作成)

・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠

②認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
※補助金額3,000万円を超える事業計画書は金融機関及び認定経営革新等支援機関と共同で作成する必要あり

・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠
③ コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
・申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高と、コロナ以前の同3か月の合計売上高が確認できる資料
・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠

④決算書
(直近2年間の貸借対照表、損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)

・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠
⑤ ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報) ・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠

⑥ 海外事業の準備状況を示す書類
・次のいずれかに該当する資料又はそれに準ずる資料
海外直接投資:海外子会社等の事業概要・財務諸表・株主構成が分かる資料
海外市場開拓:海外市場の具体的な想定顧客が分かる資料
インバウンド市場開拓:インバウンド市場の具体的な想定顧客が分かる資料
海外事業者との共同事業:共同研究契約書又は業務提携契約書(検討中の案を含む) 等

・グローバルV字回復枠
⑦ 従業員数を示す書類

・緊急事態宣言特別枠

⑧ 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、2021 年 1 月~3 月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で 30%以上減少していることを証明する書類
(令和3年の国による緊急事態宣言による影響を受けたことの誓約、売上高減少に係る証明書類)

・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠
⑨ 2021 年 1 月~3 月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類 ・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠(任意)

⑩ 審査における加点を希望する場合に必要な追加書類
⑧⑨と同じ内容のもの

・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠(⑧、⑨と重複する場合は不要)

枠によって必須のものが異なりますので、申請する枠と書類に間違いがないかしっかりと確認が必要です。

Q. 事業計画書にはどういう内容を書いたらいいの?

A. 下記1~4の項目について作成が必要です。

  1. 補助事業の具体的取り組み内容
    • 現在の事業の状況から、事業再構築の必要性と具体的内容、今回の補助事業の取組についての具体的内容
    • 応募申請する枠と事業再構築の種類(類型)
    • 補助事業を行うことによってどのように他社や既存事業と差別化か実現するか
    • 既存事業縮小により従業員を解雇する場合、再就職支援などの配慮の取組
  2. 将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
    • 本事業の成果が寄与するユーザーやマーケットについて、その成果の優位性・収益性と課題・リスクの解決方法
    • 本事業の成果の事業化見込みについて、目標時期・売上規模・量産化時の価格など
  3. 本事業で取得する主な資産
    • 本事業により取得する主な資産の名称、分類、取得予定価格など
  4. 収益計画
    • 本事業の実施体制、スケジュール、資金調達計画等
    • 収益計画(表)における「付加価値額」の算出根拠

Q. 事業再構築補助金の申請支援をコンサルタントに依頼すべき?

A. 経済産業省から「認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する 」と発表されている通り、コンサルタント(代行事業者)との策定が必須です。

また、事業再構築補助金は最大1億円の補助金のため、厳正な審査がされ、事業計画が十分にわかりやすく、審査のポイントをきちんと抑えた書類であることが必須と考えられます。
そのためにもコンサルタントに早めに依頼を行い、採択率を上げるための準備をすすめることをおすすめします。

「事業再構築補助金」申請は代行業者(コンサルタント)に依頼すべき?相場や選び方も解説

事業再構築補助金の採択について

Q. 事業再構築補助金の採択率は?

A. 採択率については、第1回は36%、第2回は45%でした。

Q. 事業再構築補助金の採択件数は?

A. 55,000件程度と発表されています。

Q. 事業再構築補助金の審査ポイントは?

A. 公募資料の中で審査項目が以下のように記載されています。

  1. 補助対象事業としての適格性
    • 補助対象事業の要件を満たすか。
    • 補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%((【グローバル V 字回復枠】については 5.0%))以上の増加等を達成する取組みであるか。
  2. 事業化点
    • 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。
      また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。
    • 事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。
      市場ニーズの有無を検証できているか。
    • 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
      補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。
    • 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。
      その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。
  3. 再構築点
    • 事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。
    • 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。
    • 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。
    • 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。
  4. 政策点
    • 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
    • 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
    • ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
    • 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。
    • 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、
      高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。
  5. 加点項目
    • 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、
      2021 年 1 月~3 月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で 30%以上減少していることを証明する書類
    • 2021 年 1 月~3 月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類

加点項目は前述した必要書類の⑧⑨と同じものです。こちらはエビデンスとなる書類を提出し、各要件に合致することが確認できた場合にのみ加点となります


Q. 事業再構築補助金に加点項目はある?

A. 前述の通り、売上高の減少についての証明書類・固定費が協力金を上回ることの証明書類が加点要素となります。
ただし、エビデンスとなる書類を提出し、各要件に合致することが確認できた場合にのみ加点となります。


また、ものづくり補助金においては、加点項目の数によって採択率が大きく異なっています
事業再構築補助金においても、その有無によって採択率が変わる可能性があるので、なるべく提出することをお勧めします。

最後に

この記事では、「事業再構築補助金」の最新の公開情報をともに、企業様の質問の多いテーマについてQ&A形式で回答してきました。

2021年度は全部で5回の募集が予定されていますが、最大1億円と補助金額の規模が大きく、ある程度の競争率が予想される補助金です。

このため、今から信頼できる支援機関を見つけて、申請準備のスケジュールを検討したり、事業計画などすでに準備を始められるところから準備を開始することも、申請の質をあげ採択の可能性を高める一手となります。

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また事業再構築補助金以外にも中小企業が活用できる補助金はいくつもあります。
以下の記事でお勧めの13種類を纏めていますので、合わせてお読みください。

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