事業再構築補助金の優先採択についての大臣発言
2021年1月12日の梶山経済産業大臣の閣議後記者会見において、最大1億円の事業再構築補助金について、緊急事態宣言による影響を受けた事業者の申請を、優先採択するという発言がありました。
大臣発言の抜粋(事業再構築補助金に関する部分)
「3次補正予算案に計上した持続化補助金や事業再構築補助金について、緊急事態宣言による影響を受けたことを証明する事業者が申請をした場合は、優先的に採択をいたします。さらに、日本政策金融公庫等の実質無利子無担保融資を利用しやすくするため、運用の柔軟化を行います。」
~略~
「経済産業省として、引き続き産業界の経済環境をしっかり注視しながら、適切な対策を採ってまいりたいと考えております。」
緊急事態宣言を受けた支援措置
2021年1月8日に1都3県、1月14日に2府5県の緊急事態宣言が発令されました。
こうした状況の中、飲食店とその取引先への最大40万円の一時金支給、イベント業界の会場費等のキャンセル費用支援などと合わせて、事業再構築補助金・小規模事業者持続化の優先採択、公庫の実質無利子無担保融資について、経済産業大臣から言及がありました。
1月8日~
緊急事態措置の実施期間:2021年1月8日~2月7日
緊急事態措置の実施区域:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
1月14日~
緊急事態措置の実施期間:20213年1月14日~2月7日
緊急事態措置の実施区域:栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県
事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金は、新型コロナ感染症の影響による事業環境の変化に対応して、「事業再構築」に挑戦する中堅・ 中小企業を支援する補助金制度です。 事業再構築補助金の以下の要件は以下のとおりです。
- 申請前の直近半年間のうち任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月と比較して10%以上減少している
- 事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む
- 補助事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または社員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
これらの要件を満たし、補助金の申請を行い採択をされた場合に、建物費、設備費、システム購入費、外注費、広告宣伝費等について、最大1億円までの補助を受けられます。
ご関心のある方は下記サイトもご覧ください。
事業再構築補助金の補助金額と補助率
事業再構築補助金の補助金額と補助率は、以下の通りです。
補助金額 | 補助率 | |
---|---|---|
中小企業(通常枠) | 100万円以上6,000万円以下 | 2 / 3 |
中小企業(卒業枠) | 6,000万円超~1億円以下 | 2 / 3 |
中堅企業(通常枠) | 100万円以上8,000万円以下 | 1 / 2(4,000万円超は1/3) |
中堅企業(グローバルV字回復枠) | 8,000万円超~1億円以下 | 1 / 2 |
事業再構築補助金に関する経産省のPR資料
緊急事態宣言を受けたことの証明方法は?
緊急事態宣言を受けたことの証明をどのように行うかについて、詳細は現時点では不明です。
2020年の小規模事業者持続化補助金を参考にすると、以下のような書類を地方自治体等が発行する書類で証明することになる可能性があります。
- セーフティネット保証4号の認定書
(本店所在地の市町村等で発行) - 新型コロナウイルス感染症の影響による売上減少の証明書
(事業を実施する市町村等で発行)
(参考)セーフティネット保証制度(4号:突発的災害(自然災害等))
事業再構築補助金はいつから始まるの?申請方法は?
第3次補正予算は、1月18日開始の通常国会で審議され、1月中に成立すると考えられます。
補正予算成立後に、速やかに、事務局の決定、公募要領の公開等が行われ、春頃からスタートになると考えられます。
申請方法は、jGrantsを使った電子申請になり、gBizIDが必要となります。
gBizIDの取得には2週間程度かかるので、まだ取得していない企業は早めの準備をおすすめします。
なお、制度についてより詳しく知りたい方は以下の記事もお読みください。
【事業再構築補助金まとめ】制度概要や申請できる企業、申請方法、採択結果などすべて解説
【Q&A】最大1億円の「事業再構築補助金」について疑問に答えます