【事業再構築補助金】審査結果から独自分析!採択事業の事業種類・投資内容・支援機関を読み解く

事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換などに意欲を有する中小企業等が、最大一億円の補助を得られる制度です。
金額も大きく、融資とは異なり返済の必要もないため、非常にメリットの大きい仕組みです。

一方で、審査があり全ての企業が得られるわけではないため、
採択された企業や活動の傾向を見て、対策を講じることをおすすめします。

そこでこの記事では、事業再構築補助金の2021年度1次締切分採択実績を分析し、説明していきます。
ぜひ採択される事業計画づくりにご活用ください。

なお、採択結果をもとに事業計画書の作成や申請時のポイントをまとめた記事はこちらになります。

【事業再構築補助金 第1回公募結果を受けて】事業計画書作成・申請のポイントを解説

また、事業再構築補助金について詳しく知りたい方はこちらのページもご覧ください。

【最大1億円!】事業再構築補助金とは?対象要件や補助金額・対象経費・申請方法なども解説します

2021年度事業再構築補助金・1次の採択率は36%!

2021年度1次の採択率は以下の通りです。

ものづくり補助金よりやや少なめで、採択率は36%でした。

締切 応募件数 採択件数 採択率
1次(4月締切) 22,231 8,016 36%

出典:事業再構築補助金事務局HP 第一回公募結果概要

2020年度ものづくり補助金の平均応募件数と比べて事業再構築補助金の応募件数は3倍近くあり、各企業が大変注目していることがわかります。

それだけ審査が厳しいので、傾向を踏まえて応募書類を作成することが重要になります。

ここからは採択結果を使用し当社で独自分析した結果を用いて、どのような事業再構築が採択されているのか、さらに詳細に見ていきましょう。

経営者コネクト
第1回について、弊社でご支援した事業者様の採択率は83%、中小企業(通常枠)の上限となる6,000万円で採択された企業も複数ありました。弊社の事業計画書作成支援サービスをご検討される方は、ぜひ下記サイトをご覧ください。

2021年度事業再構築補助金・1次で採択率の高かった業種とは

事業再構築補助金のHPには、採択結果のページがあります。

採択された企業の概要や事業計画などが見られますので、どのような企業が採択されたのか知ることができます。

今回は、当社のある兵庫県の第一回応募の採択結果をもとに、独自分析をした結果を用いて読み解いていきます。
※事業再構築補助金の公式ページの採択結果に掲載されている、「事業計画書の概要」をもとして、業種や設備投資の内容を独自に分類したものとなりますので、一部正確性を書いている可能性がありますが、ご了承ください。

兵庫県は都市部、工業地帯、自然豊かな観光地など様々な特徴のあるエリアが混在していますので、兵庫県以外の企業の皆様にも参考にしていただけると思います。

2021年度1次は製造業の採択率が高い

まず、採択企業の業種についてみていきましょう。
兵庫県で採択された企業の割合を調べたところ、製造業が全体の約50%と最大で、サービス業が約20%、飲食業11.0%、小売業7.5%、建設業5.3%と続いていました。

では、採択されている企業はどのような業種の新事業を始めているのでしょうか?

同業種内の新規事業が多い

採択された企業のうち、一番多い既存業種と新規事業の業種の組み合わせは製造業→製造業となっており、全体の39%に上りました。

結果は以下の通りです。

  • 製造業→製造業 39%
  • サービス業→サービス業 13%
  • 飲食業→飲食業 5%

結果を見るとわかるように、同業種内での新規事業の割合が高く、全体の70%程度を占めています。

シナジーのある同業種への転換とすることで、各企業がすでに強みとしてもっている強みやリソースを生かすことができるため、実現のハードルが比較的低い事業計画とすることができるでしょう

同業種内の事業転換以外では、サービス業や小売業から製造業への「自社オリジナル製品の製造開始」と思われる事業再構築が目立ちます。
製造機器やスペースへの投資が必要な製造業の開始を、事業再構築補助金をうまく活用して行っている企業も多いようです。

また、他業種が小売業を始める事例もやや目立ちました。

感染症拡大により対面ビジネスが難しい中で、オンラインをうまく活用し顧客と繋がっていく事業活動が行われやすいという背景が考えられるでしょう。

このように、既存の業種・新規事業の業種について、以下の傾向が読み取れました。

  • 既存事業の業種は採択の5割が製造業
  • 製造業→製造業、サービス業→サービス業など、同業種内での事業再構築の割合が多い
  • 大型投資の必要な製造業の開始や、オンラインをうまく活用した小売り・情報サービスの提供で業種を超える事業再構築も行われている

では、採択企業は事業転換のためにどのような投資をするのでしょうか?続いて投資内容について見ていきましょう。

2021年度事業再構築補助金・1次で採択された企業の投資先とは

採択企業のうち76%が機械装置へ投資予定

次に、投資対象を分析してみました。
採択企業の新規事業内容から投資対象を「建物」「機械装置」「システム開発」に分類した結果、機械装置へ投資した企業が実に76%に上っています。

※2つ以上に投資している企業もあるため、合計が100%以上になっています。

これは前述の通り、採択された企業の中で製造業の割合が高いことが影響しています。
より詳細を見てみましょう。

採択された製造業の91%が機械装置へ投資予定

既存事業の業種別に投資内容を見てみたものがこちらです。

業種別にみると分かる通り、製造業の91%が機械装置を導入しています。

採択企業のうち半分以上を占める製造業の約9割が機械装置を入れているため、前述した全体の機械装置投資の割合が76%と高くなっています。

そのほかの業種を見てみると、サービス業・飲食業・小売業も機械装置へ投資する企業の割合が高い一方で、5割程度の企業が建物にも投資していることがわかります。

卸売業や情報通信業は機械投資だけでなく、システム開発への投資割合が高くなっています。

 

新規事業の業種によって投資対象はばらつく

これまで既存事業の業種を軸に見てきましたが、続いては新規事業の業種を軸に見てみましょう。

結果を踏まえ、業種ごとに見ていきましょう。

製造業での事業再構築について

新たに製造業を始める企業のうち97%が機械装置を導入予定としていることがわかりました。

既存業種関係なく、製造業での事業再構築を行う場合は機械装置への投資がほぼマストであることがわかります。

また、建物への投資は8%と低いことから、多くの企業がすでにある工場などの一角を利用しての新規事業であることが予想されます。

サービス業での事業再構築について

新たにサービス業を始める企業のうち66%が機械装置へ、39%が建物へ投資するという結果でした。

サービス業は事業内容が幅広く、事例を見てもコワーキングスペースの運営から配送代行まで多岐にわたっていました。

サービス業と一口に言っても、事業内容によって投資先がそれぞれ異なることが伺えます。

飲食業・宿泊業での事業再構築について

新たに飲食業・宿泊業を始める企業は、ほかの業種に比べて建物への投資割合が高くなっています(飲食業:67%、宿泊業:63%)。

事業再構築補助金の一つの大きな特徴は、ものづくり補助金等では対象経費とできない「建物費」が対象経費とできることにあります。
このため飲食業・宿泊業の新規開始に必要な新店舗のための大型投資に、本補助金を賢く活用する企業が多いことがうかがえます。

小売業での事業再構築について

小売業における事業再構築を行う企業のうち67%がシステムを導入予定としています。

前述の通り、小売業へ転換する業種は製造業や飲食業など比較的他業種が多く、いずれもWeb販売の事例が多く見られます。

感染症により対面での小売りが厳しくなっているなか、オンラインでの販売開始に必要な経費に事業再構築を活用する企業が多いことがうかがえます。

2021年度事業再構築補助金・1次で採択された企業を支援した機関とは

ものづくり補助金とは異なり、事業再構築補助金は支援機関が必須の補助金制度です。

採択された企業はどの支援機関へ依頼をしていたのでしょうか。
こちらも兵庫県の採択結果を対象に見ていきましょう。

採択された企業のうち、金融機関に依頼をした企業は全体の41%

今回の結果を見てみると、兵庫県で採択された企業を支援した機関は金融機関が41%と最も高く、次いで個人コンサルタントと商工会議所が19%となりました。

補助金額3000万円以上の申請には金融機関の確認書が必要ですが、金融機関が認定支援機関であることは必須ではなかった割に、非常に高い割合の採択案件の支援機関が金融機関となりました。

各金融機関としても、着実に返済の見込める補助金のつなぎ融資は実施ハードルが低く、営業成績にも紐づくため、積極的な協力体制にあったことがわかります。

次いで、個人の会計士・税理士等を含む個人コンサルタントと商工会議所が19%と比較的高い割合でした。

民間のコンサルティング会社や会計士事務所・税理士事務所の支援は10%前後と比較的割合が低く、金融機関を除いては、個人や小規模な支援組織が認定支援機関の中心となっていたことがわかります。

 

飲食業は個人コンサルタントが、その他業種は金融機関へ依頼している割合が高い

既存事業の業種別に支援機関を見てみると、製造業、小売業、宿泊業、卸売業では特に、金融機関へ依頼している企業の割合が50%以上と非常に高くなっています。

これらの事業では比較的大規模な企業の割合が高いと考えられ、既存事業でも金融機関との付き合いがあり、依頼しやすいケースが多かったのではないでしょうか。

しかしながら、金融機関は事業計画のチェックはしても、作成までサポートすることはほとんどありません。
大型投資の信頼性確保のために金融機関に認定支援機関を依頼するケースでも、事業計画の策定を支援するコンサルタントがつくことが一般的です。

経営者コネクト
当社で行っている事業再構築補助金申請サポートにおいても、事業計画書作成は当社で全面支援したうえで、金融機関に認定支援機関として入っていただくケースは、大型案件を中心に、多々あります。

一方で、比較的小規模の事業者の多い飲食業に関しては、金融機関よりも商工会議所や個人コンサルタントへの依頼が多くなっています。

2021年度事業再構築補助金・1次の採択実績まとめ

ここまで見てきた通り、事業再構築補助金の採択率データを読み解くと以下のことがわかりました。

<業種>

  • 既存事業の業種別では製造業が約50%と最大、次いでサービス業、飲食業の順に採択率が高い
  • 製造業→製造業、サービス業→サービス業など、同業種内での事業転換が多い
  • 小売業と情報通信業は比較的他業種からの転換が多い

<投資内容>

  • 採択された企業のうち7割強が機械装置へ投資予定
  • 製造業を新たに始める企業は、97%が機械装置を導入予定としており、建物は既存のものを使う事例が多い
  • サービス業は事業内容が幅広いため投資先がそれぞれ異なるが、新たに着手する企業のうち66%が機械装置を導入予定である
  • 飲食業・宿泊業を始める企業のうちそれぞれ6割以上が建物へ投資予定であり、新店舗のためであることが伺える
  • 小売業は他業種からの転換が比較的多く、Web販売などの理由からシステム投資率が67%と比較的高くなっている

<支援機関>

  • 採択された案件のうち、金融機関が認定支援機関のケースは全体の41%
  • 製造業・小売業・宿泊業・卸売業で金融機関が支援した割合は特に高く、飲食店では個人コンサルタントや商工会議所の支援が多い

最大1億円が補助される事業再構築補助金は、新分野展開、事業転換などを考えている企業にとって大きなメリットのある補助金です。

事業計画書をはじめとした必要書類をしっかりと準備できれば、採択される可能性が高まります。

支援機関がマストの補助金ですので、どこの支援機関に依頼するかでも大きく結果が異なってくるといえます。

補助金を活用した設備投資などで、他社との差別化を図ったり、生産性を向上させたりすることで、競争優位性を築いていきましょう。

経営者コネクト
経営者コネクトでは、事業再構築補助金の応募を考え始めた企業様に対し、応募できる可能性を判断し準備のスケジュールを助言する「無料相談サービス」を受け付けています。
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また事業再構築補助金以外にも中小企業が活用できる補助金はいくつもあります。
以下の記事でお勧めの16種類を纏めていますので、合わせてお読みください。

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