「くるみん助成金」を申請できる事業者とは?くるみん認定・プラチナくるみん認定も解説

厚生労働省が公表したデータによれば、男性の育児休暇取得率は低水準ながらも上昇傾向にあり、平成30年度(2018年度)は6.16%でした。

「育児と仕事の両立」に取り組む「イクメン企業」は増えており、こういった中小企業の事業主を支援するのが「くるみん助成金」です。

この記事では、「くるみん助成金」の基本知識や申請できる事業者、申請方法、さらに「くるみん認定・プラチナくるみん認定」まで解説します。

「社員のモチベーションを向上させたい」という経営者の方は、ぜひご覧ください。

「くるみん助成金」とは?基本情報を紹介

まずは、くるみん助成金とはどのような制度なのか、基本情報をご紹介します。

「くるみん助成金」とは?

くるみん助成金とは、「くるみん認定・プラチナくるみん認定」を受けた中小企業事業主に対して交付される助成金です。
(「くるみん認定・プラチナくるみん認定」については後述します)

正式な事業名は「中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業(内閣府所管助成事業)」で、令和3年(2021年)10月1日に運用が開始されました。

助成金については、こちらのポータルサイトでさまざまな情報が確認できます。

くるみん助成金ポータルサイト

社会全体で少子化対策に取り組むとした、厚生労働省の「新子育て安心プラン」に基づき、従業員に対する育児休業の取り組みなどを促進します。

また、大企業にくらべて「くるみん認定・プラチナくるみん認定」の認定数が少ない中小企業に対して支援する点も特徴です。

 

「くるみん助成金」の主幹は内閣府

くるみん助成金の主幹は内閣府です。
そのため事業名に「中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業(内閣府所管助成事業)」と、内閣府の名称が記載されています。

(参考)
内閣府:企業主導型保育事業等
内閣府:くるみん認定・プラチナくるみん認定を受けた中小企業事業主に、助成金を支給します!(リーフレット)

ただし「くるみん認定・プラチナくるみん認定」については、後述のとおり厚生労働省が主体となって運営しています。

 

事務局(実施機関)は一般財団法人女性労働協会

くるみん助成金の事務局(実施機関)は、一般財団法人女性労働協会です。
2021年8月に実施された、補助事業者の公募によって決定しました。

くるみん助成金ポータルサイト」も、一般財団法人女性労働協会が運営しています。

実施期間は令和9年3月末まで(申請受付期間とは別)

くるみん助成金(中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業)の実施期間は、下記のとおりです。

  • 実施期間令和3年(2021年)10月1日~令和9年(2027年)3月末

ただし、上記期間中ずっと申請が行えるわけではなく、年度ごとに申請受付期間が設けられていることに注意してください。

令和3年度(2021年度)の申請受付期間は後述しています。

子猫, 赤, 二つの, 小, 草, 自然, ストライプ, 干し草, Snuggles, 苦, カップル

「くるみん助成金」を申請できる事業者とは?令和3年度の制度概要

次に、下記資料をもとに、令和3年度くるみん助成金の制度概要をご紹介します。
中小企業子ども・子育て支援環境整備事業費補助金実施要綱
令和3年度中小企業子ども・子育て支援環境整備事業助成要領
くるみん助成金利用ガイド

「くるみん助成金」を申請できる事業者

まず前提として、くるみん助成金には次の2コースがあります。

  1. くるみん認定
  2. プラチナくるみん認定

そして助成金を申請できる事業者(対象事業者)は、それぞれ次のとおりです。

①くるみん認定

  • 子ども・子育て支援法に規定する一般事業主である
  • 前年度または当年度(助成申請期間末日まで)に、くるみん認定を受けている
  • 当該くるみんに認定に係る行動計画終了日の属する事業年度(会計期間)の末日が、以下である
      ○令和2年度認定取得 ⇒ 平成31 年4 月1 日以降
      ○令和3年度認定取得 ⇒ 令和2 年4 月1日以降
  • 次世代支援対策推進法に規定する中小企業事業主(常時雇用する労働者数300 人以下)である

②プラチナくるみん認定

  • 子ども・子育て支援法に規定する一般事業主である
  • 前年度の3月31日時点において、プラチナくるみん認定を受けている
  • 次世代支援対策推進法に規定する中小企業事業主(常時雇用する労働者数300 人以下)である

「くるみん助成金」の申請要件

くるみん助成金の申請要件は以下のようになり、1つでもバツがあれば、申請は行えません。
(下記3・4は、いずれか該当する項目のみ)

  1. 子ども・子育て支援法に定める一般事業主である(事業主拠出金を納付している)
  2. くるみん認定またはプラチナくるみん認定を取得している
  3. くるみん認定取得事業者の場合
     ・令和2年4 月1 日以降に取得している
     ・当該認定を受けた行動計画終了日の属する事業年度の末日は下記である
       ○令和2年度認定取得 ⇒ 平成31 年4 月1 日以降
       ○令和3年度認定取得 ⇒ 令和2 年4 月1 日以降
  4. プラチナくるみん認定取得事業者の場合
     ・令和3年3 月31 日時点で認定を取得している
     ・次世代育成支援対策実施状況の公表をしている
  5. 常時雇用する労働者数が300人以下である(くるみん認定・プラチナくるみん認定申請時の申請書に記載した労働者数で判断)

「くるみん助成金」の対象となる事業と経費

くるみん助成金の対象となるのは、「中小企業が、労働者の職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な整備を行う事業」です。

具体的には以下の取組となります。

  1. 労働者の育児休業などの取得を促進するための取組
  2. 労働者の子育てを支援するための取組
  3. 労働者の業務負担の軽減や所定外労働の削減などを図るための取組
  4. その他、労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な取組

また助成金の対象経費は、「中小企業子ども・子育て支援環境整備事業」を実施する際、その実施に要する経費です。

「事業の実施に要する経費」は、以下の条件を満たすものが対象。

  1. 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できるもの
  2. 助成を受ける年度に実施し、完了報告期日までに支払いが完了する事業の経費
  3. 根拠資料によって金額・支払などが確認できるもの
  4. 本助成事業以外の補助金等などの支給を受けていない経費

具体的な対象経費として、以下の経費が挙げられます。

  • 職員給与
  • 各種手当
  • 社会保険料事業主負担金
  • 厚生費等(役員報酬を除く)
  • 諸謝金
  • 備品費(単価50万円以上の備品を除く)
  • 消耗品費
  • 印刷製本費
  • 通信運搬費
  • 光熱水料
  • 借料および損料
  • 会議費
  • 賃金
  • 雑役務費及び委託料

助成額:50万円を上限に審査で額が確定

くるみん助成金の助成額は、「くるみん認定・プラチナくるみん認定」のどちらの場合も、50万円を上限に審査によって額が確定します。

ただし、「くるみん認定・プラチナくるみん認定」では、次のように助成の回数が異なります。

  1. くるみん認定1回の認定につき1回助成
  2. プラチナくるみん認定認定を受けた翌年度から、毎年度1回助成(期間中、年度ごとに申請が必要)

申請受付期間:予算上限による終了もあり

くるみん助成金の申請受付期間は、次のとおりです。

  • 申請受付期間:令和3年12月1日(水)~ 令和4年2月15日(火)

ただし、「予算の上限となった場合は期間内でも終了する」とされていますので、できるだけ早めの申請をおすすめします。

申請方法:電子申請または郵送

くるみん助成金の申請方法は、電子申請または郵送のいずれかとなります。

電子申請の場合

申請書類をダウンロードして記入押印後、PDF化します。
必要書類を申込フォームに添付して、こちらの申請フォームから申請を行います。

くるみん助成金ポータルサイト:申請フォーム

郵送の場合

申請書類をダウンロード後、すべてA4サイズで作成して記入押印。

必要書類一式を揃え、レターパックライトなど「追跡・配送の確認ができるもの」で、次の郵送先に提出します。

  • 〈書類郵送先〉
    〒105-0014
    東京都港区芝2-27-8 VORT芝公園8階
    一般財団法人女性労働協会 くるみん助成金事務局

申請締切日は必着日となりますので、余裕をもって郵送しましょう。

なお「協会への来所による提出は一切受け付けない」とのことですので、ご注意ください。

「くるみん助成金」の申請書類

くるみん助成金の申請書類は次のとおりです。

  1. 申請書(様式1−1
  2. 予算書(様式1−2
  3. 事業計画書(任意形式)
  4. 見積書など、事業計画書の根拠資料(原本の写し)
  5. 助成決定にあたっての留意事項誓約書(様式1−3
  6. くるみん・プラチナくるみん認定証(原本の写し)
  7. くるみん・プラチナくるみん認定申請書(原本の写し)
  8. ※プラチナくるみん認定企業のみ
     公表している直近の次世代育成支援対策実施状況(「両立支援のひろば」公表ページの写し)
  9. 申請者の定款又は寄付行為(原本の写し)
  10. 会社・法人の登記事項証明書(発行後3か月以内)、個人事業主は開業届(原本の写し)
  11. 直近3か月分の社会保険の納付控え(原本の写し)

申請から助成金交付までの流れ

くるみん助成金の申請から交付までの流れは、下図のようになります。

出典:くるみん助成金ポータルサイト

事業者が申請申込後、事務局にて審査を行い、決定通知を送付。

事業計画書にもとづき、事業者が事業を実施します。
対象となる事業をすべて実施した後、1か月以内または完了報告期日のいずれか早い日までに、完了報告書などを提出。

正式な交付額は、完了報告書提出後の審査によって確定します。

 

「くるみん認定・プラチナくるみん認定」とは?基本情報を紹介

記事の最後に、「くるみん認定・プラチナくるみん認定」についてくわしく解説します。

「くるみん認定・プラチナくるみん認定」とは?

「くるみん認定・プラチナくるみん認定」とは、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受けた証に、次のマークを使用できる制度です。

くるみんマーク(出典:厚生労働省
プラチナくるみんマーク(出典:厚生労働省

平成17年(2005年)4月に施行された次世代育成支援対策推進法では、企業が社員の仕事と子育てについて「一般事業主行動計画(行動計画)を策定すること」と規定。

企業側の自発的な次世代育成支援に関する取組を促すため、「行動計画に定めた目標を達成した」などの一定の基準を満たした企業は、申請することで厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けられるようになりました。

さらに、認定を受けた企業が、より高い水準の取組を行い一定の基準を満たすと、特例認定(プラチナくるみん認定)となります。

(参考)
厚生労働省:一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう !!!
厚生労働省:くるみん認定及びプラチナくるみん認定企業名都道府県別一覧

「くるみん認定・プラチナくるみん認定」を取得するメリット

「くるみん認定・プラチナくるみん認定」を取得することには、企業にとって次のようなメリットがあります。

メリット1:社員のモチベーションが向上する

認定基準に「男性社員の育児休業を取得者の割合が7%以上」などの条件があるため、条件を満たす社内ルールを策定することで社員の「仕事と子育ての両立」がしやすくなり、結果的に社員のモチベーションも向上します。

メリット2:社外にアピールできる

「くるみん認定・プラチナくるみん認定」を取得すると、次の場所に「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク」を使え、社外に「子育てサポート企業」であることをアピールできます。

  1. 商品又は役務
  2. 商品、役務又は一般事業主の公告
  3. 商品又は役務の取引に用いる書類又は通信
  4. 一般事業主の営業所、事務所その他事業場
  5. インターネットを利用した方法により公衆の閲覧に供する情報
  6. 労働者の募集の用に供する広告又は文書

メリット3:公共調達にて加点評価される

各府省などが、総合評価落札方式または企画競争による調達によって公共調達を実施する場合に、「次世代育成支援対策推進法」に基づき、厚生労働大臣の認定を受けた企業(くるみん認定企業・プラチナくるみん認定企業)を加点評価するよう、国の指針で定められています。

出典:厚生労働省

 

 

令和4年4月1日からくるみん認定・プラチナくるみん認定の認定基準が改正に

令和4年(2022年)4月1日から、「くるみん認定・プラチナくるみん認定」の認定基準が改正されます。
今後の取得を検討されている方はご注意ください。

(参考)
厚生労働省:令和4年4月1日からくるみん認定、プラチナくるみん認定の認定基準等が改正されます!新しい認定制度もスタートします!

なお、改正のポイントは次のとおり。

ポイント1:くるみんの認定基準とマークが改正

認定基準が次のように改正されます。

  1. 男性の育児休業等の取得に関する基準
     ・男性の育児休業等取得率:7%以上 → 10%以上
     ・男性の育児休業等・育児目的休暇取得率:15%以上 → 20%以上
  2. 男女の育児休業等取得率等を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表する

ポイント2:プラチナくるみんの特例認定基準が改正

特例認定基準が次のように改正されます。

  1. 男性の育児休業等の取得に関する基準
     ・男性の育児休業等取得率:13%以上 → 30%以上
     ・男性の育児休業等・育児目的休暇取得率:30%以上 → 50%以上
  2. 女性の継続就業に関する基準
     ・出産した女性労働者及び出産予定だったが退職した女性労働者のうち、子の1歳時点在職者割合:55% → 70%

ポイント3:新たな認定制度「トライくるみん」が創設

「トライくるみん」の認定基準は、現行のくるみん認定と同じです。
トライくるみん認定を受けることで、くるみん認定を受けていなくても直接プラチナくるみん認定へ申請できます。

ポイント4:新たに「不妊治療と仕事との両立に関する認定制度」が創設

くるみん、プラチナくるみん、トライくるみんの一類型として、「不妊治療と仕事を両立しやすい職場環境整備に取り組む企業の認定制度」が創設されます。

 

まとめ:ぜひ「くるみん認定」を取得して「くるみん助成金」の活用を

この記事では、「くるみん助成金」の基本知識や申請できる事業者、申請方法、さらに「くるみん認定・プラチナくるみん認定」まで解説しました。

社員のモチベーションを向上させるためにも、ぜひ「くるみん認定・プラチナくるみん認定」を取得して、「くるみん助成金」を活用していきましょう。

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