「経営革新計画」とは?申請方法は?融資や補助金等でのメリットも徹底解説!

 

新しい事業を始めたいと思っていても、資金力が乏しく諦めているという中小企業の経営者の方も多いのではないでしょうか。

この記事でお伝えする「経営革新計画」を策定し、都道府県等の承認を受けることにより、補助金の審査で加点され採択されやすくなったり、通常とは別枠の融資を受けられる可能性が高まります。

承認を受けることで得られる具体的なメリットや、経営革新計画が承認される条件、申請方法、審査の流れについて紹介しますので、ぜひ資金調達の方法を検討している経営者の方は参考にしてください。

経営革新計画とは

経営革新計画とは、中小企業が「新事業活動」に取り組むことにより「経営の相当程度の向上」を期待して策定する中期的な経営計画書のことです。

計画策定を策定することで、目の前の課題や事業の方向性について明確になり、事業拡大を進めることができます。

それだけではなく、策定した経営革新計画書が国や都道府県に承認されると補助金や融資などさまざまな支援策の対象となる点が大きな魅力です。

経営革新計画に承認されると受けられる支援・4つ

経営革新計画が承認されることにより、さまざまな支援を受けられることが多くあります。
(各機関の判断にもよりますので、都道府県の商工会議所等にご確認ください)

ここでは補助金・融資・保証など一部の支援について紹介します。

経営革新計画のメリット①ものづくり補助金の審査で加点される

ものづくり補助金とは、新製品やサービスを作るための設備投資を行う企業に対して1,000万円の補助(原則、補助率は½)が受けられる制度です。
融資とは異なり返済が必要がないという点が大きな魅力です。

この補助金を得るには、付加価値額や給与支給総額などを上昇させる計画を作成及び実行する要件があります。
審査にあたり、経営革新計画の承認を受けている企業は加点されるのです。

経営革新計画を既に作成しているならば、ものづくり補助金の申請資料作成などのハードルも下がると思いますので、新規事業で設備投資が必要な場合は是非申請してみてください。

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ものづくり補助金の2020年の傾向や申請のコツについてより詳細な解説を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください!

【2020年最新】ものづくり補助金(最大1000万円)を徹底解説(今年度最終は2月締切!)

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また2021年春には、最大1億円が補助される「事業再構築補助金」の応募も始まる見込みです。
感染症拡大による経済社会の変化に対応するため、新分野展開や業態・事業・業種転換等を検討される企業様は、ぜひ次の記事もお読みください。

【最大1億円!】事業再構築補助金とは?対象要件や補助金額・対象経費・申請方法なども解説します

経営革新計画のメリット②日本政策金融公庫による低金利融資

経営革新計画の承認を受けると、日本政策金融公庫の「新事業育成資金」と「新事業活動促進資金」という制度を利用でき、以下の通り一般枠よりも低金利の枠で融資を受けられる可能性があります。

中小企業の優遇金利は最大▲0.9%

新事業育成資金」を利用する場合、融資限度額は6億円で適用金利は基準金利から▲0.9%と大幅に下げることができます

また、「新事業活動促進資金」を利用する場合には、設備資金の限度は7億2千万円、運転資金の限度は2億5千万円です。

適用金利は基準金利▲0.65%となりますが、2億5千万円を超える部分と土地にかかる資金については基準金利が適用されます。

国民生活事業の対象は新事業活動促進資金が利用できる

日本政策金融公庫では、事業規模に合わせて中小企業事業と国民生活事業の対象に分かれます。

個人事業主や従業員数が少ない小規模事業者は、国民生活事業に分類されるとともに「新事業活動促進資金」が利用できます。

条件は中小企業事業と同じく、設備資金の限度は7億2千万円、運転資金の限度は2億5千万円です。

適用金利は基準金利▲0.65%となりますが、2億5千万円を超える部分と土地にかかる資金については基準金利が適用となります。

また、担保や保証人については日本政策金融公庫と話し合い決める流れです。

経営革新計画のメリット③保証協会の保証で一般枠とは別枠が用意される

保証協会の保証では、一般枠として無担保保証が8千万円、有担保保証が2億円用意されています。

経営革新計画の承認を受けると、この一般枠とは別枠で無担保保証が8千万円、有担保保証が2億円まで利用可能となります

また、「新事業開拓保証」を利用する場合、上限が通常の2億円から、3億円まで引き上げられます

経営革新計画のメリット④海外展開に伴う資金調達もできる

中小企業者が海外展開に伴う経営革新計画の承認を受けている場合には、以下の資金調達支援を受けることができる可能性があります。

  •  
    スタンドバイ・クレジット制度
    (日本政策金融公庫法の特例)
  •  中小企業信用保険法の特例
  • 日本貿易保険(NEXI)による支援措置

スタンドバイ・クレジット制度は、中小企業の海外法人が現地の金融機関から1年以上の長期融資を受ける場合に、日本政策金融公庫が債務を補償します。
補償限度額は一法人あたり4億5千万円で、補償が受けられる融資期間は1年以上5年以内です。
この補償を付けられることにより、海外事業を展開する際に現地通貨をスムーズに調達することができます。

 

中小企業信用保険法の特例では、経営革新計画の承認を受けた企業が、国内の銀行から直接海外事業へ投資する資金の融資を受ける際に利用できる保証協会の保証制度が利用できます
たとえば現地法人を作るために、日本の金融機関で借り入れした資金を親子ローンとして現地法人に融資する場合などを想定してみてください。
現地法人が現地で融資を受けるよりも日本本社で借入をすることにより手続きを簡易化したり、金利を抑えたりするメリットがあるのです。
この特例により通常2億円の海外投資関係保証を3億円まで引き上げることができます

日本貿易保険(NEXI)による支援については、中小企業が海外の銀行融資を受ける場合に日本貿易保険の海外事業資金貸付保険を付保します。

 

経営革新計画・対象企業の条件

経営革新計画を申請することができる対象者は以下の通りです。
(東京都の場合。都道府県ごとに異なる可能性がありますので、該当地域の制度をご確認ください)

  • 中小企業等経営強化法第2条に規定する中小企業者であること
    →中小企業の 資本金・従業員基準(東京都産業労働局HP)
  • 直近1年以上の営業実績があり、この期間に決算を行っていること(税務署に申告済みのこと)
    ※創業間もない企業や、これから創業する方などは対象とならない
  • 登記上の本社所在地が都内であること。
    (個人事業主の場合は、住民登録が都内であること)

この通り、経営革新計画の対象者となるためには、すでに事業を始めている企業が既存事業とは異なる新事業活動に取り組む計画を策定する必要があります。

具体的には以下の4つの分類に該当するものです。

「新事業活動」の4つの類型

  • 新商品の開発又は生産
  • 新役務(サービス)の開発又は提供
  • 商品の新たな生産又は販売の方式の導入
  • 役務(サービス)の新たな提供の方式の導入、その他の新たな事業活動

また、「経営の相当程度の向上」を達成できる計画であることも要件となるため、計画期間に応じた目標伸び率を達成することが必要です。

計画機関と、必要な目標伸び率は下記の通りです。

  計画期間3年 計画期間4年 計画期間5年
「付加価値額」又は「一人当たりの付加価値額」の上昇幅 9%以上 12%以上

15%以上

「経常利益」の上昇幅 3%以上 4%以上 5%以上


参考 : 中小企業庁

経営革新計画の申請で必要な書類

経営革新計画の承認を受けるために必要となる書類は「申請書」と「添付書類」です。

それぞれについて、より詳しく知っていきましょう。

経営革新計画「申請書」は10ページ程度で詳細に書く

申請書の様式は、各自治体のHPからダウンロードできます。
(東京都の場合はこちらから。)
※自治体によって様式が異なるため、必ず申請する自治体の様式をダウンロードして使用してください。

申請書には、「経営革新の内容」「目標伸び率」「経営計画・資金計画」「設備投資計画」など5年後まで細かく記載していきます。

特に、「経営革新の内容」については、以下のような項目について、図やグラフ等を活用しながら分かりやすく記載していく必要があります。

 
  • 当社の現状(既存事業の内容)
  • 本計画を策定するに至る「きっかけ」と経緯
  • 新事業の内容「自社にとって何が新たな取組みであるのか」 
    ※商品や導入機器等の写真や図面等を添付
  • 計画の実施「新事業をどのように実施するのか」
  • 計画を実施した結果はどのようになるのか 
    ※定性面だけでなく数値目標も示す

経営革新計画「添付書類」は2〜3種類必要

添付SY法人・個人事業主により内容が異なりますが、各所から取り寄せが必要になる可能性もあります。

申請をする場合には、早めに確認の上、用意してください。

法人の添付書類は以下の3つです。

  1. 直近2期分の確定申告書類一式(税務署の受付印のあるもの)<写>
    ※電子申告の場合には、税務署へ申告した旨が表示されている「メール詳細」のコピーを添付
  2. 商業登記簿謄本(発行から3か月以内のもの)<写>
  3. 定款(原本証明をつけたもの)<写>

個人事業主の場合添付書類は以下の2つです。

  1. 住民票(発行から3か月以内のもの、マイナンバーが表記されていないもの)<写>
  2. 直近2期分の確定申告書類一式(決算書含む、税務署の受付済みのもの)<写>

経営革新計画の手続きの流れ

経営革新計画を利用する場合の手続きは以下の通りです。

  1. 申請書の申請
  2. 審査会
  3. 結果の通知

※自治体によっては、外部専門家などによる調査を現地調査があるところもあります。

東京都の場合、申請書は毎月20日(2.3.4.12月は15日)に締め切りとなり、月末までに修正などをして完成させます。
それを翌月審査して、翌々月の初旬に結果が通知される流れです。

たとえば、7月20日までに提出した申請書について、修正などが必要な場合は月末までに修正をします。
8月に審査が行われ、9月の頭には結果がわかるわけです。

※申請書については、1回でそのままOKとなるわけではなく、事務局から複数回修正の依頼が来ることも多いです。

また、申請書がOKとなり、事務局が書類を受理して初めて審査会の日程調整が行わます。

ものづくり補助金の加点要素とする歳の注意点

なお、「ものづくり補助金」の加点要素とするためには、事務局が書類を受理して「申請中」の状況となる必要があります
申請書を郵送せず手元に保管されている場合は、「申請中」とならず加点要素にならないため注意が必要です。

参考 : 東京都産業労働局

まとめ

経営革新計画を申請して承認を受けると、設備資金として最大1000万円が得られる「ものづくり補助金」の審査で加点されます。

他にも経営革新計画には、日本政策金融公庫の金利が優遇されたり、保証協会の保証が別枠で利用できたり、海外進出案件で融資を受けやすくなったりと言った特典があります。

(このような支援は経営革新計画が承認されたからと言って確約されるものではなく、各機関に判断は委ねられるということは覚えておきましょう。)

経営革新計画の申請書には、事業計画などを具体的に策定し、事業拡大を実行できる内容とすることが重要です。
申請書を作成するのは大変かもしれませんが、さまざまな支援を受けることができ、中小企業の成長の後押しとなる制度ですので、「新規事業を始めたい」という企業にぜひ挑戦していただければと思います。

経営革新計画の申請で困ったら誰に相談すればよい?


認定支援機関に相談するのがおすすめ

中小企業が安心して経営相談等が受けられるために、専門知識や、実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定する公的な支援機関として、経営革新等支援機関(認定支援機関)が定められています。

具体的には、金融機関、商工会議所、中小企業診断士、税理士、公認会計士、弁護士等を認定しています。

認定支援機関は中小企業庁のホームページに掲載されています。2020年5月現在、35,537機関が認定されています。

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