【いつ申請準備をする?】ものづくり補助金のスケジュールは?事業計画の申請から、採択後の手続きまで解説

ものづくり補助金とは、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業等の革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する制度です。

最大1,000万円と補助金額が大きいため、採択されれば事業推進の大きな後押しになります。
また、名称から製造業向けと思われがちですが、業種に制限はなく、飲食関係・医療関係など、幅広い業種の企業がこの補助金を得ています。

一方で、補助金を使える期間が応募のタイミングごとに定められていることから、計画的に応募・補助金活用の計画を立てる必要があります。
こちらの記事では、ものづくり補助金の流れとスケジュールについて説明しますので、設備投資の計画に活用してください。

 

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ものづくり補助金の2021年の傾向や申請のコツについてより詳細な解説を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください!

【ものづくり補助金まとめ】制度概要や申請方法、採択結果などわかりやすく解説【2021年度版】

 

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また2021年春には、最大1億円が補助される「事業再構築補助金」の応募も始まりました。感染症拡大による経済社会の変化に対応するため、新分野展開や業態・事業・業種転換等を検討される企業様は、ぜひ次の記事もお読みください。

【事業再構築補助金まとめ】制度概要や申請できる企業、申請方法、採択結果などすべて解説

ものづくり補助金の全体の流れ

ものづくり補助金では、以下の流れで、応募→採択→事業実施→補助金支払いと進んでいきます。

  1. 公募期間開始
  2. 事業計画申請書(電子申請)提出

    (↓以下、採択の場合)
  3. 採択通知
  4. 交付申請
  5. 交付決定
  6. 補助事業実施
  7. 実績報告
  8. 確定検査
  9. 補助金の請求
  10. 補助金の支払い

 

この中で、まずは「事業計画書申請」を行い、「採択通知」を受けとることからはじまります。
事務局からの採択通知を受けとることができれば、基本的には事業が承認されたこととなり、その年度内に事業が実施できることになります。

正式に発注できるのは、交付決定後となるので注意が必要です。

なお、この流れにある通り、補助金の支払いは補助事業が完了し、実績報告を行った後となります。
つまり、前払いではなく、申請時業者側で、立て替える必要がありますので注意が必要です。

その分の資金繰りを考慮した計画を作成するようにしましょう。

事業計画書申請に関するスケジュール

ものづくり補助金は、2020年から3年間に渡って実施される予定で、現在、第6次の応募が始まっています。

実質2021年度の初回となる、6次公募の締切は5月13日です。

 

  公募開始 締め切り 採択発表
1次公募 2020年3月10日 2020年3月31日 2020年4月末
2次公募 3月末 5月20日 6月末
3次公募 5月 8月3日 9月末
4次公募 8月 12月18日 2021年2月18日
5次公募 11月 2021年2月19日 2021年3月末
6次公募 2021年2月22日 2021年5月13日 2021年6月末
7次公募 未定 8月ごろ 未定
8次公募 未定 11月ごろ 未定
9次公募 未定 2月ごろ 未定

出典:ものづくり補助金総合サイト

ものづくり補助金の全体の流れ

ここまで、ものづくり補助金の応募〜補助金受領までの全体的な流れを紹介してきました。
これを知った上で、さらに応募について、さらに細かい方法を理解していきましょう。
応募には、次の4つのステップがあります。

  1. 加点要素申請
  2. GビズIDの取得
  3. 事業計画書の作成
  4. 事業計画書の電子申請

それぞれのステップについて、以下で詳しく説明していきます。

加点要素の申請(1か月程度)

ものづくり補助金では、必須の要件とは別に、満たしていると審査上有利になる「加点要素」があります。
必須ではありませんが、できるだけ加点要素を満たすことが採択の可能性をあげますので、ぜひ検討したい事項です。

また、加点要素の準備には、申請が必要で時間のかかる項目もありますので、ものづくり補助金の申請書の前に、まず加点要素取得のための申請を行うべきでしょう。

2020年の加点要素は、以下の4つです。

  1. 成長性加点有効な期間の「経営革新計画」の認証承認を取得した事業者(申請中も可)

  2. 政策加点
    ・小規模事業者
    ・創業・第二創業そ間もない事業者(5年以内)

  3. 災害時加点
    ・「新型コロナウイルス の影響を乗り越えるために設備投資等に取り組む事業者(特別枠の申請者)」又は「令和元年度房総半島台風(台風15号)等及び令和元年度東日本台風(台風19号)の被災事業者(激甚災害指定地域に所在する者に限る)」
    ・有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した(取得予定)の事業者」

  4. 賃上げ加点
    ・「事業計画期間に置いて、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者」又は、「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3%以上増加させ、かつ事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者」

    ・「被用保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合」


この中で、事前に申請が必要となるのは、

成長性加点の「経営革新計画
災害時加点の事業継続力強化計画

の2つとなります。

経営者コネクトでは、これまでのものづくり補助金申請企業のサポート経験から、「採択率を上げるにはこの2つの書類をともに提出すべき」と考えています。

ただし、経営革新計画については、ものづくり補助金の事業計画書と同等レベルの書類が必要となるため、通常の場合、作成して提出するまでに1か月以上かかることに注意しましょう。

GビズIDの取得(2週間程度)

応募の前段階としては、もう1つ「GビズIDプライム」という専用アカウントの取得が必要になります。
GビズIDとは、企業から国への申請に関わる複数の行政サービスにアクセスすることができる認証システムのことです。

GビズID取得の際には、GビズIDサイトから申請の上、申請書を印刷、実印を捺印した上で、印鑑証明書(個人事業主は印鑑登録証)と共に運用センターに郵送する必要があります。

GビズID取得の際は、2 週間程度の期間が必要になります

※この登録が済んでいないと、申請作業はできませんので注意が必要です。

申請スケジュールを確認し、確実に準備しておきましょう。

加点要素の取得と並行して申請可能なので、そうすることで少しでも効率的に、短い期間でものづくり補助金の申請ができるようにしましょう。

※新型コロナウイルス の影響で2020年5月には、3週間経ってもIDが発行されなかったというケースもあるため、余裕を持って申請しておくようにしましょう。

事業計画書の作成(1か月程度)

ものづくり補助金の申請に当たり、最も重要なのが事業計画書です。

事業計画書の内容が、採択に影響すると考えられるからです。

事業計画書には、以下の内容を10ページ程度で記載する必要があります。

その1:補助事業の具体的取組内容
その2:将来の展望
その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠

なお、審査員は非常に多くの書類を短時間で審査します。

そのため、図やグラフを使いながら、分かりやすく説明する必要があります。

このことを考えると、よほど補助金の申請書の慣れている方でない限り、1ヶ月程度の時間がかかると考えておきましょう。



なお、経営革新計画の申請書をきちんと作り込んだ場合には、流用できる部分が多数ありますので、1〜2週間程度で、ものづくり補助金の事業計画書を完成させられる可能性もあります。

事業計画書の電子申請(2〜3日程度)

ものづくり補助金は、先ほどの手順2で取得したGビズIDを利用し、補助金の電子申請システムである「jGrants」から申請します。

会社情報等の基本的な情報の入力、決算書や加点要素の添付などが多数ありますので、2〜3日程度かかると考えておきましょう。

なお、途中で保存ができますので、複数回に分けて準備することも可能です。

事業計画書申請に関するスケジュール

採択結果は、公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」、もしくは補助金の電子申請システム「jGrants」で確認できます。

締切のタイミングによって、採択結果発表のタイミングが異なりますが、申請締切から1 〜2ヶ月で発表がされるようです。

採択がされれば、原則、補助金がもらえることは確定です。

そのため、ここまでたどり着くことができれば、一息つくことができます。

 

しかしながら、採択後、交付申請・交付決定を経て、はじめて事業実施が可能となります。

採択後も含めた、ものづくり補助金全体の流れは以下のとおりです。

出典:ものづくり補助金 公募要領

採択決定後も交付申請等の手続きが必要

1.説明会に出席(採択発表後2週間程度で開催)

採択後、補助事業についての説明会が、各都道府県で開かれます。この説明会では補助事業採択後から事業完了までの各種手続きや準備品しなければならない資料等についての説明が行われます。

2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、一部の地域では、参加が任意となっているようですが、その後の手順や交付等の申請方法について説明がされるので、基本的には、出席するようにしましょう

2.交付申請(1〜2週間程度)

採択後、交付申請書を作成します。2020年からは、交付申請もjGrantsを利用します。

交付申請の際には、正式な見積もりや、事業計画の申請時に提出できなかった書類(例えば、経営革新計画の承認書、直近年度の確定後の決算)の添付が必要となります。

見積もりに関しては、原則2社以上の見積もりが必要となるため、少しでも早く交付決定を受けて、補助事業に着手(機械設備等を発注)したい場合は、採択後、速やかに準備するようにしましょう。

3.交付決定

交付申請に問題がなければ、事務局から交付決定通知書が届きます。

交付決定通知書を受領した後に、正式に機械設備等の発注が可能となります。

4.事業実施(10 か月以内)

交付決定後10ヶ月以内に補助事業は実施しなければなりません

そのため、納期については、予め導入する機械設備のメーカーや代理店とすり合わせをするようにしましょう。

入金は全ての手続き完了後

事業完了後、中間監査、実績報告書作成、精算払請求書作成といった手続きが必要になります。

これらの手続きが完了して、はじめて補助金が入金されることになります。

最後に

各種手続きに要する時間は、以下のとおりです。

最大1,000万円が補助される「ものづくり補助金」は、補助金額が大きい分、申請等の手続きが非常に複雑で、時間を要しますので、計画的に進めましょう。

項目 期間
加点要素の申請:経営革新計画 1ヶ月程度
(書類作成に不慣れな場合は2〜3ヶ月程度かかる可能性もあります)
GビズID取得 2週間程度
※コロナウイルス の影響で3週間かかることも
事業計画書作成 1ヶ月程度
(書類作成に不慣れな場合は2〜3ヶ月程度かかる可能性もあります)
採択結果発表 1〜2ヶ月程度
交付申請・交付決定 1ヶ月程度
補助事業実施(機械設備等導入) 10ヶ月以内
入金前の手続き
(中間監査、実績報告書作成、精算払請求書作成)
1〜2ヶ月程度

 

事業計画申請に関する手順

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加点要素の申請(1か月程度)

また、ものづくり補助金以外にも中小企業が活用できる補助金はいくつもあります。
以下の記事でお勧めの13種類を纏めていますので、合わせてお読みください。

【最新】中小企業が利用できる補助金・助成金13選!目的・金額・条件を徹底解説